株をやってみよう!と思ってはみたものの、しかし、いざ始めようと思うとどうしていいかわからないという人が多いのも事実です。
「株は始め方ってどうすればいいの?」
「自分でもできるの?」
「色々な株の投資があるって聞くけど、どう違うの?」
などの疑問も出てくるでしょう。
そこで今回は、「株を始めたいけれど不安な点がある」という人向けに、株の始め方を説明します。
雑誌などのメディアでは儲かった話ばかり取り上げられがちですが、損をすることも当然あります。
むしろ、損をする人の方が多いのです。
筆者が証券会社時代に驚いたことの一つが、基礎知識を持たずに投資商品を始める人が多かったことです。
「儲かるって聞いたから」という理由で始めたものの、損してしまう人を多数見ました。
損失を被ってから「こんなはずじゃなかった」と思うようで、そこでようやく基礎知識を学ぼうとするのです。
ですが、実際に元手を減らしてから基礎を学ぶのでは、遅すぎます。
少しの損失ならまだしも、何十万、何百万と損してからでは、授業料としては高すぎるでしょう。
そうならないためにも、始める前に基礎は絶対に押さえておく必要があります。
筆者は仕事でファンド業務をしているため日々数億円の株の運用をしていますが、基本的に「株は損するもの」というスタンスで取引に臨みます。
どんなに値上がりする可能性の高い株であっても、すぐに利益が出るわけではありません。
値上がりするどころか、いったん値下がりすることもあります。
そういう時に、どう判断するかが利益を出せるか出せないかの分かれ目になります。
今回の記事では、その判断をする上で基礎となる知識を解説します。
さらに、株を始める前に知っておいてほしい基本的な知識についても併せて解説します。
株をこれから始めようという方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
始める前に知っておきたい株式投資のリスクとリターン
株式投資を始める前に知っておきたいのが、株式投資のリスクとリターンです。
投資商品にはリターンがある一方、リスクもあります。
ここでは、株式投資にはどのようなリスクがあり、どんなリターンがあるのかということを解説します。
株式投資を始める時には、絶対に覚えておきましょう。
まずは、投資商品のリスクとリターンについて解説します。
リスクとリターンは表裏一体
投資の世界ではリスクとリターンは表裏一体です。
リスクが大きい程リターンも大きくなり、リスクが小さい程、リターンも小さくなります。
これがどういうことか説明する前に、投資の世界におけるリスクとリターンについてまずは説明します。
株やFXなどの投資商品を取引する際に必ず聞く言葉が、リスクとリターンです。
リスクとは、収益の振れ幅のことを投資の世界では意味します。
一般的にリスクは危険性を意味しますが、投資の世界では収益の振れ幅という意味で使うことがあるのです。
また、リターンは投資で得られる収益のことです。
投資商品の中には、リターン(収益)の振れ幅が大きいものがあります。
つまり、大きな収益が得られる反面、大きな損失を被ることもある商品ということです。
このような投資商品が、投資の世界における「リスクの大きい商品」ということになります。
反対にリスクの小さい商品は、リターンの振れ幅が小さい商品ということになります。
被る損失が小さい反面、収益も小さくなります。
投資商品には株やFX、債券、投資信託など様々なものがあります。
その中で株はリスクの高い投資商品に分類されます。
株価は日々変動し、大きな値上がりを見せることもあれば、驚くほど値下がりすることもあります。
つまり、得られる利益が大きい反面、被る損失も大きい投資商品ということになるのです。
反対に、債券はリスクの低い投資商品に分類されます。
毎期もらえる利息が決まっており、よほどのことがない限り、満期を迎えると元本は満額で返してもらえます。
元本割れしにくい反面、株のように短期間で投資金額の何倍もの利益を得られることはありません。
なお、投資の世界では、相場の地合いが良くなると株などの高リスク商品にお金が向かいます。
反対に相場の地合いが悪くなると、債券などの低リスク商品にお金が向かうのです。
冒頭でも書いたように、リスクとリターンは表裏一体です。
リスクを大きくとれば、それだけ成功した時のリターンも大きくなります。
しかし、リスクを小さくした場合は、リターンもそれだけ少なくなるのです。
つまり、リターンのみでリスクがゼロということはありません。
また、リスクしかない、ということもあり得ないのです。
このように、投資の世界では、リスクが高ければリターンは高く、リスクが低ければリターンは低くなります。
リスクとリターンの関係をしっかり覚えた上で投資に臨みましょう。
さて、次に株式投資のリスクについて考えたいと思います。
ちなみに、ここでいうリスクとは、一般的な意味でのリスク、つまりは「危険性」ということになります。
株式投資にはどのようなリスクがあるのか、見てみましょう。
株式投資のリスクとは
株式投資には代表的なリスクが4つあります。
それは、
- 値下がりリスク
- 倒産リスク
- 流動性リスク
- 無配リスク
です。
それぞれについて説明します。
値下がりリスク
株式投資で警戒すべき代表的なリスクが値下がりリスクです。
その名の通り、買った時よりも株価が下がってしまうことを意味します。
株式投資で収益を上げるには、安く買って高く売るのが基本です。
つまり、株価が上がることを期待して株を買うのが基本ということになります。
しかし、株価というのは上がるばかりではありません。
業績悪化や不祥事などの理由により、株価が下がることも十分に考えられるのです。
下がった場合に問題となるのが、「株価が元の水準まで戻るのはいつなのか」ということです。
意外に早く元の水準まで戻ることもあります。
ですが、下がった株価がさらに下がり、なかなか元の水準には戻らないこともあるのです。
その場合、値下がりした分の損失を抱え続けることになります。
株式投資で最も起こりやすいのが、この値下がりリスクなのです。
倒産リスク
株式投資で知っておきたいリスクが倒産リスクです。
その名の通り、企業が倒産する可能性がある、というリスクになります。
株の発行体である企業の業績が好調だと、株の価値は高まります。
反対に業績が悪化すると、株の価値は下がります。
業績が悪化してもいずれ回復すれば良いのですが、中にはそのまま悪化するケースもあります。
そして最終的に倒産してしまうと、株の価値はなくなってしまうのです。
大企業がある日突然倒産するケースは稀です。
ですが、絶対に倒産しないとは言い切れません。
例えばエアバッグ・シートベルトなどの大手であったタカタは、1兆円もの負債を抱えて倒産しました。
東証一部の大手企業でもこのように倒産してしまうのです。
どんなに業績の良い企業でも、倒産の可能性はゼロではないと心に留めておきましょう。
基本的に上場企業は、上場にあたり厳しい審査が行われています。
そのため、いきなり倒産、ということはまずありません。
倒産する場合は、それ以前から業績悪化などの兆候が表れます。
業績の悪化が続いて倒産の可能性が高くなってくると、その企業の株価はどんどん下がります。
そしていよいよ倒産となると、その会社の株は無価値になってしまうのです。
株には、このような倒産リスクもあると覚えておきましょう。
流動性リスク
株のリスクの一つが流動性リスクです。
取引量の多い株ではこのリスクは低いのですが、取引量の少ない株の場合はこのリスクが高くなります。
どういうことか説明します。
株式投資では、株を取引することで利益を得ます。
その際は、株の買い手と売り手の両方が揃わなくてはいけません。
例えば、1株100円の株を100株買いたいとします。
その場合、この株を1株100円で100株以上売っている人がいなければ、取引は成立しません。売る場合も同様です。
ある株を1株100円で100株売りたいとします。
この株を1株100円で100株以上買いたいという人がいないと取引は成立しません。
買い手と売り手が揃わなければ、取引は不成立となってしまうのです。
取引量の多い株の場合は取引不成立になることはなかなかありません。
ですが、人気がなく、あまり取引されていない株は、取引不成立が起こり得ます。
このように、取引をしたくても相手がおらず取引できなくなることを、流動性リスクといいます。
無配リスク
株式投資のリスクの一つに、無配リスクがあります。
その名のとおり、配当されないリスクです。
どういうことか説明します。
株を保有していると、企業の利益が配当という形で分配されます。
なお、全ての株で配当が行われるわけではありません。
配当は、業績が良く、株主還元に積極的な企業が行うケースが多いです。
また、業績が良くても、研究開発や設備投資に多額の資金が必要な時は配当が行われないこともあります。
株主は配当を受ける権利を持っていますが、企業は必ずしも配当を出す必要はないのです。
毎年コンスタントに配当を出す企業の株や、株価に対して配当額が大きい高配当株は人気があります。
しかし、企業の業績が悪化した場合、予定されていた配当がなくなり、無配となる可能性もあります。
また、先ほども書いたとおり、会社が設備投資などに多額の資金が必要な場合も無配となる可能性があります。
このことを、無配リスクといいます。
毎年配当を出している企業であっても、配当が行われなくなる可能性はゼロではありません。
無配リスクを念頭に置いた上で株式投資を行いましょう。
ここまで株式投資のリスクについて説明しました。
それでは次に、株式投資のリターンについて説明します。
株式投資のリターンとは
株式投資にはリスクもありますが、それに対してのリターンもあります。
株式投資で得られるリターンは、
- キャピタルゲイン
- インカムゲイン
の2つです。
それぞれについて解説します。
キャピタルゲイン
株式投資で獲得できる利益として多くの人がイメージするのが、キャピタルゲインです。
キャピタルゲインとは値上がり益(空売りの場合は値下がり益)のことです。
つまり、株の売買によって得られる利益、ということになります。
株を買って、値上がりした際に売ることで、その差額がキャピタルゲインという利益になるのです。
価格の動きによっては、わずかな期間で大きな利益を得られる可能性があるのが特徴です。
デイトレードは、このキャピタルゲインの獲得を狙って取引します。
もちろん、中・長期投資でも狙うことができます。
長年に渡りその株を持ち続け、会社が成長するのを待つわけです。
その結果、買った時の何十倍もの株価になる「テンバガー」と呼ばれる大化け株になることもあります。
キャピタルゲインは株式投資で得られる利益として非常に魅力的です。
大きな利益を狙うことができるのは事実ですが、その反面、損失につながりやすいというリスクもあります。
それでは次に、インカムゲインについて説明します。
インカムゲイン
キャピタルゲインが一時的な利益であるのに対し、定期的な利益となるのがインカムゲインです。
株式投資では、主に配当がインカムゲインにあたります。
た、株を保有していることで得られる利益のことなので、株主優待もインカムゲインに含まれます。
インカムゲインは大きな利益にはならないのですが、損失になることもありません。
確実な利益を求めるのであれば、インカムゲインを狙って投資していくこととなるでしょう。
ただし、無配リスクもあるので、利益がゼロになる可能性はあります。
また、元本となる株の株価が下がる可能性もあります。
将来的に成長する企業の株を保有すれば、インカムゲインを得ながら株価の上昇を狙うこともできます。
上がりきったところで売却すれば、インカムゲインに加え大きなキャピタルゲインを得られるわけです。
ここまで株式投資で得られる2つのリターンについて解説しました。
株を取引するなら、リターンを得たい、できるだけ失敗したくないと誰もが思うものです。
株式投資で失敗しないために、どのようなことを行う必要があるのでしょうか。
次に、そのことについて説明します。
失敗しないために決めておくべきマイルール
株式投資は、ただ何となく行えば良いというわけではありません。
必ずルールを決めて行う必要があります。
決める内容は人それぞれです。ですが、最低限決めなくてはならないことがあります。
そこで、ここでは、初心者が決めておくべき最低限のルールを説明します。
初心者が決めておくべき最低限のルールは、
- 予算を決める
- どのような投資スタイルで投資するか決める
- 利益確定ラインと損切りラインを決める
- ロスカットを防ぎたい場合は現物で取引する
の4つです。
筆者は仕事で色々な投資家の人にインタビューすることがあります。
株式投資やFXなど投資全般でいえることですが、実際に投資で利益を得ている人には共通点があります。
それは、「ルールを決めて取引している」ということです。
そして、「そのルールを決して曲げない」という点も共通しています。
これは投資を行う上で非常に大切なことです。
実は筆者もルールを設けて投資しています。
仕事柄、会社の資金を運用することが多いのですが、場当たり的な投資をするわけにはいきません。
利益が出ても損失が出ても、その理由を説明できなくてはならないからです。
個人投資家も同様です。利益が出ても損失が出ても、どうしてそうなったのかが分からなければなりません。
利益が出た場合は、その理由を知り、今後の投資に活かすことができます。
損失が出た場合も同様です。その理由が分かれば、投資法を改善することができます。
このように、投資においてルールを設けることは非常に大切です。
コンスタントに利益を得られるようになるために、必ずマイルールを設けて投資に臨みましょう。
それでは、それぞれについて説明します。
予算を決める
まずは予算を決めましょう。
株は利益も得られますが、損失を被ることもあります。
そのため、自分の資産をすべて株に投資してしまうのは危険です。
自分が全額失っても良いと思える金額を株式投資に使いましょう。
つまり、自分の資産のうち、「これくらいなら最悪失っても良い」という許容損失額が投資に回すお金になります。
また、用意する資金は必ず余剰資金にしましょう。
生活資金を投資に回すのはNGです。
全額失っても良いという金額を決めたところで、初心者のうちはそのうちの一部を投資に使います。
まだ株式投資に慣れていないので、最初は一部の資金で練習するのです。
その際に、利益確定や損切りのタイミングももちろん決めます。
そうやって練習し、慣れてきたら徐々に投資額を増やして利益確定や損切りのタイミングを調整するのです。
予算によっては単元未満株など、少額での投資が可能な方法も視野に入れるべきです。
ただ、低予算でできるからといって、低位株を取引するのは初心者のうちは避けましょう。
低位株は低予算でできますが、動きが読みづらく、価格の変動も激しいです。
同じ少額投資でも、大型株を単元未満株で取引した方が安全です。
さて、予算を決めたら、次に何を決めれば良いのでしょうか?
次にそのことを説明します。
どのような投資スタイルで投資するか決める
予算を決めたら、次に投資スタイルを決めましょう。
株式投資のスタイルは、一つだけではありません。まずは、
- キャピタルゲインの獲得
- インカムゲインの獲得
のどちらを主に狙うのか考えましょう。
特にインカムゲインの獲得を主体にする場合は、ある程度の期間、株を保有することが前提になります。
インカムゲインが手に入れば、元手の損益はあまり気にしないという人もいるかもしれません。
ですが、できれば元手はあまり減らしたくないところです。
そのためにも、相場の地合いが悪い時にも値下がりが限定されやすい銘柄を中心に選びましょう。
キャピタルゲインの獲得を主とするスタイルの場合は、売買のスパンによる違いを考えましょう。
それは、
- デイトレード:1日に何度も売買をする
- スイングトレード:2日〜1週間程度で売買をする
- 短期投資:数週間程度で売買をする
- 中期投資:数ヶ月程度で売買をする
- 長期投資:年単位で売買をする
のどれに自分が該当するか、ということです。
これらの売買スタイルのうち、自分がどのスタイルで投資するかを決めましょう。
決める際に考えたいのは、自分の生活スタイルです。
会社員などメインとなる仕事がある人には、デイトレードはあまり向きません。
なぜなら、相場に張り付いていられないからです。
そのため、副業で株式投資を行う場合は、デイトレード以外の方法を考えた方が良いでしょう。
また、自分が株式投資に関する時間をどれくらいとれるかも考えましょう。
銘柄選びや相場ニュースのチェックのために、毎日まとまった時間を取れるでしょうか。
もし取れるのであれば、スイングトレードや短期投資など、比較的短期間の売買でも問題ないでしょう。
そんな時間を取る暇はない、というのなら、中長期投資を選んだ方が賢明です。
特に時間がかかるのが銘柄選びですので、それに費やす時間の少ない方法を選ぶのです。
そして、相場ニュースのチェックを隙間時間に行えるように工夫すると良いでしょう。
このようにして自分の投資スタイルを決めたら、いよいよ取引そのものに関するルール決めを行います。
投資の肝となる重要なルールを決めるのです。
次に、このことを説明します。
利益確定ラインと損切ラインを決める
株式投資で重要となるのが、
- 利益確定ライン
- 損切ラインです
の2つです。
株のみならず、FXや商品先物など他の投資商品でもこのことは非常に重要となります。
つまり、投資における最重要事項が、この2つということなのです。
株を買ったところ、予想どおり値上がりして利益が出たとします。
その時、「ここからもっと上がるかもしれないからまだ売らないでおこう」とつい期待してしまいます。
反対に値下がりして損したら、「きっと株価が戻ってくるはず」と損失を確定することを躊躇するものです。
このような「今、利益や損失を確定せずに、様子見しよう」という考えになってしまう人は珍しくありません。
ですが、これが投資に失敗する大きな原因になるのです。
利益や損失を確定しなくても、その後の株価が思った通りに動くのであれば、問題ありません。
しかし、利益を確定せずにそのまま持ち続けた結果、株が急落してしまうこともあります。
その場合、獲得利益は小さくなってしまいます。
また、損失を確定せずに株価が戻るのを待った結果、さらに下がってしまうこともあります。
その場合、損失が拡大してしまうのです。
筆者は仕事上、様々な投資家と知り合う機会があります。
その中で、「勝ち組」になっている人は皆、損切りと利益確定を徹底していることが共通しています。
また、自分なりの損切りラインと利益確定ラインが人に話せるくらい明確、ということも共通しています。
反対に、株式投資で損してばかり、という人は、利益確定ラインと損切ラインがあいまいな人が多いです。
自分の感情や状況に応じて、この2つがコロコロと変わります。
筆者の感想になってしまいますが、投資に失敗する人はこのような人が多い印象です。
ちなみに、利益確定ラインというのは、利益を確定する株価をあらかじめ決めたラインのことです。
また、損切りラインは損失を確定して、それ以上広げないようにするラインのことです。
株式投資で成功したいなら、成功している人のやり方を真似るのが一番手っ取り早いです。
ですので、まずは利益確定ラインと損切りラインを明確に決めましょう。
そして、ここが一番のポイントになりますが、利益確定ラインと損切りラインを徹底するのです。
先ほど書いたとおり、勝ち組トレーダーは利益確定ラインと損切りラインを徹底しています。
実は、この2つを徹底するのは非常に難しいのです。
なぜなら、欲にかられて自分の感情につい流されてしまうケースが多いからです。
その結果、思うように利益が出なかったり、損失が広がったりします。
そうならないよう、利益確定ラインと損切ラインは徹底しましょう。
最後に、損失の拡大を防ぐ方法について説明します。
損失の拡大を防ぎたい場合は現物で取引する
株は現物取引以外に信用取引ができます。
もしも損失の拡大を防ぎたいのであれば、現物取引を行いましょう。
どういうことか説明します。
株の信用取引では、損失が生じた際に、一定以上の割合になった場合は強制的に決済されます。
この割合は証券会社により様々です。
信用取引では、証拠金の約3.3倍の金額を取引できます。
現物取引の場合、100万円の資金の場合は100万円分の株を買うことができます。
ですが、信用取引の場合は約330万円分の株を買うことができるわけです。
つまり、信用取引は同じ100万円でも保有できる株数を現物より増やすことができることになります。
少ない資金で大きな金額の取引ができるわけです。
これを投資の世界では「レバレッジ」といいます。
小さな力で大きな重量のものを動かせる「てこの原理」が由来の言葉です。
同じ資金で大きな金額の取引ができるということは、得られる利益が大きくなります。
つまり、レバレッジは資金効率を上げることができる方法なのです。
ただし、欠点もあります。それは、大きな金額が取引できる分、損失も大きくなる、ということです。
ここでは分かりやすく、100万円の資金で1株100万円の株を買ったという前提で説明します。
100万円で買った株が値下がりし、半分の50万円になったとします。
その場合、現物取引では1株しか買えないため、50万円損したことになります。
一方、信用取引の場合はどうでしょうか。
信用取引では、約3.3倍のレバレッジがかけられます。
そこで、レバレッジをかけて100万円の株を3株、300万円分買ったとします。
その場合、株価が1株50万円に下がると、どうなるでしょうか?3株持っていることから、50万円×3株で、損失は150万円になります。
元々の資金は100万円なので、資金を超える損失が発生したことになってしまうのです。
この例の場合、150万円-100万円=50万円ですので、50万円の負債を抱えることになります。
このようなことがあるため、「信用取引は怖い」「信用取引を行うと破産する」などと言われるのです。
このような状態になることを避けたければ、現物取引を行いましょう。
ちなみに、信用取引で上の例で挙げたような負債の発生を避ける方法もあります。
それは、かけられるレバレッジ分の取引を行わないことです。
先ほどの例は、100万円の資金に対し、かけられるレバレッジのほぼいっぱいの300万円分の株を取引しました。
その結果、損失が拡大して元手以上の負債を抱えることになったのです。
もしも100万円の資金で1株10万円の株を3株、信用取引で行えばどうでしょうか?
その場合、取引に必要な金額は10万円未満になります。
仮に1株10万円の株価が5万円に下がっても、損失は15万円で済みます。
つまり、100万円の元手を超える損失は出ない、ということになります。
すでに書いたとおり、レバレッジは資金効率を上げるための方法です。
元手以上の損失が出る可能性があるとはいっても、それは元手以上の金額を売買した場合の話です。
つまり、元手以上の金額を売買しなければ、このようなリスクを大幅に減らせます。
そのため、信用取引を行う際は、元手以上の金額の取引をしないことが必須になります。
さて、それでは次に、初心者におすすめの投資法について説明します。
初心者におすすめの株式投資法6個
初心者におすすめの方法は6個あります。
それぞれの方法について表にまとめました。
株式投資の方法 | 仕組み | 初心者へのおすすめ度 |
---|---|---|
IPO投資 | 企業が新規に発行した株式を、市場で売買される前に購入し、市場へと売却するものです。勝率が高いため、人気があります。 ただし、購入を希望する場合は抽選となることがほとんどです。 |
★★★★☆ |
NISA | 少額投資非課税制度のことです。年間で120万円までの投資であれば、その利益は非課税になります。5年間だけ有効です。 | ★★★★★ |
配当金 | 企業の利益を投資家へと分配する、配当金を目的とした投資です。1度に受け取れる利益は少ないのですが、確実性が高いのが特徴です。長期投資に向いています。ただし、業績等によっては無配になることもあるのに注意が必要です。 | ★★★★☆ |
株主優待 | 企業から、投資家へのお礼として配布される株主優待を目的とした投資です。利回りも重要ですが、優待の内容が有用かどうかも重要な点です。値動きの予想がしやすい点も、初心者におすすめです。ただし、こちらも配当同様、業績によっては株主優待がなくなったり、内容が変わったりすることもあるので、注意が必要です。 | ★★★★★ |
キャピタルゲイン | 株式投資の基本である、値上がり益を目的とした投資です。大きな利益が狙える反面、価格変動リスクの影響も大きい投資です。 | ★★★☆☆ |
セカンダリー投資 | IPOによって、上場したばかりの銘柄を対象とした投資です。上場後の値上がりを狙って行います。通常の銘柄よりも、値動きが大きいため、短期間で大きな利益を狙うこともできます。 | ★★★★☆ |
6個の方法について、詳細を説明します。
IPO投資で成功するには?
IPO投資で成功するには、抽選に当選することが必須となります。
ちなみに、IPO投資で利益を上げる方法は、公募価格で買い、初値で売る方法が一般的です。
これをIPOのプライマリー投資といいます。
IPOのプライマリー投資は、勝率が高いのが特徴です。
例えば2018年であれば、95件中80件のIPOで初値が公募価格を上回りました。
中には、初値が公募価格の10倍超に達するものもあるなど、短期間で大きな利益の獲得が狙えるのも魅力です。
ただ、既述のとおり、購入の権利が抽選であることに注意が必要です。
また、当選して買えたからと言って、必ず勝てるとは限らないという点を忘れてはいけません。
それでは、IPO投資で成功するためには、何が必要なのかを解説していきます。
IPO投資の流れ
IPO投資の流れは下記のとおりです。
- 証券会社のHPまたはIPOに関するサイトでIPOの情報を探す
- 主幹事証券会社、幹事証券会社からIPOに申し込み、ブックビルディングに参加
- 公募価格が決定
- 抽選
- 当選した場合は購入手続きを行う
- 初値売り
それぞれについて解説します。
①証券会社のHPまたはIPOに関するサイトでIPOの情報を探す
IPOの情報を探す場合は、証券会社のHPをまずはチェックしましょう。
なぜなら、IPOは、通常の株式投資と同じような銘柄選びをしていても見つからないからです。
株式市場で取引されている株とは別に紹介されています。
そのため、証券会社のHPの特にIPOについて書かれているところを参照しなくてはいけません。
また、証券会社のHPでは、自社が参加するIPOしか紹介していません。
そのため、別途IPOを紹介しているサイトなども参照しておくといいでしょう。
②主幹事証券会社、幹事証券会社からIPOに申し込み、ブックビルディングに参加
IPOに申し込む際は、そのIPOの主幹事証券会社、もしくは幹事証券会社から申し込みます。
それ以外の証券会社からは申し込めません。
そのため主幹事証券会社、幹事証券会社に証券口座を開設しておく必要があります。
なお、IPOの主幹事証券会社については「IPO投資は主幹事証券会社が狙い目!意味や幹事との違い、おすすめ口座を紹介」で紹介しています。
-
IPO投資は主幹事証券会社が狙い目!意味や幹事との違い、おすすめ口座を紹介
IPOに申し込む際、様々な情報を調べた上でどのIPO銘柄に申し込むか検討する人は多いでしょう。 様々な情報をチェックする中で、「主幹事」や「幹事」といった言葉を目にしたことはありませんか? 主幹事や幹 ...
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また、幹事証券会社については「【当選確率が上がる】IPOでおすすめの証券会社ランキングと選び方」で紹介しています。
-
【当選確率が上がる】IPOでおすすめの証券会社ランキングと選び方
IPOは利益獲得の可能性が高いものの、抽選があることが大きな欠点です。 結局は運次第なのです。 そのため、 「IPOに当選しやすくするために、何か有効な方法なないか」 と考えている人も多いのではないで ...
続きを見る
どのような証券会社が主幹事や幹事になっているのか確認してください。
IPOに申し込む際は、ブックビルディングへ参加することになります。
ブックビルディングは公募価格の決定方法のことで、「需要申告」ともいいます。
IPOでは、通常「ブックビルディング」と呼ばれていますが、正式名称は「ブックビルディング方式」です。
ブックビルディングがどのように行われているのか、そこに至るまでの流れを含めて説明します。
これから新規上場する株は、まだ株価が決まっていません。
そこで、新規上場する会社の主幹事証券会社が、機関投資家に買いたい価格についてヒアリングを行います。
企業分析のプロである機関投資家は、新規上場する会社の事業内容、財務内容等を確認します。
その上で、「〇円で×株買いたい」と回答するのです。
このようにして集まった様々な機関投資家の回答を基にして、仮条件が決まります。
仮条件では、例えば「1,000円~1,400円」など価格に幅を持たせます。
この仮条件を基にして、今度は個人投資家にいくらで何株買いたいかを聞くのです。
この個人投資家に向けた需要と価格のアンケートが、ブックビルディングです。
ブックビルディングを行うと、仮条件の範囲の中での購入希望額と株数が投資家から集まります。
その結果を基に、主幹事は新規上場する会社の公募価格を決めるのです。
つまり、IPOの条件を決めるのは企業や証券会社ばかりではない、ということになります。
IPOに参加する投資家すべてが、IPOの条件の決定に参加しているのです。
ブックビルディングについてもっと知りたいかたは「ブックビルディングとは?意味や有利に参加するテクニックを分かりやすく解説」で詳しく解説しています。
本格的に知識を深めたい方は一読してみてください。
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証券会社のIPOページを見た時に必ず目にする「ブックビルディング」という言葉。 「ブックビルディングって何?」 と思いながらもそこまで深く考えずに来た人もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、 「 ...
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③公募価格が決定
ブックビルディングが行われると、公募価格が決定します。
なお、公募価格未満でブックビルディングに参加した人は抽選対象外となり、ここから先へは進めません。
そのため、絶対に買いたいIPOなのであれば、
- 仮条件の上限価格を指値で入れる
- 成行
- ストライクプライス
のいずれかで参加することが必須です。
なお、ストライクプライスとは、ブックビルディングの際の注文方法です。
具体的な価格を提示せず、「どんな価格でも購入します」という意味の注文になります。
④抽選
購入申込をしたら、申込締切後に抽選が行われます。
その結果、当選または補欠当選することで、購入の権利を得ることができます。
当選時は、専用ページに当選の表示がされたり、メールで通知が来たりします。
当選がどのような形で通知されるかは証券会社ごとに違いがあるので、事前に確認しておきましょう。
⑤当選した場合は購入手続きを行う
IPOに当選したからといって、「当選=IPO株を買った」ということにはなりません。
「IPO株を購入する権利を得た」ということになるのです。
そのため、購入期間中にIPO株の購入手続きを行う必要があります。
購入は、改めて証券会社のIPOページにアクセスして行います。
IPOが購入可能となっていることを確認したうえで、購入に同意してください。
購入代金は、この時点で正式に支払うこととなります。
代金を支払うことで、購入手続きは完了します。
⑥初値売り
初値売りというのは、上場日に初値でIPO株を売却することです。
IPOのプライマリー投資は、この初値売りを行う方法が一般的です。
IPOを代表する投資法として、多くの投資家が行っています。
初値売りでは、公募価格で買ったIPO株が、初値で値上がりする一瞬のタイミングを狙って売却します。
初値売りは、上場日の初値が付くタイミングに注文を出していては間に合いません。
あらかじめ、注文を入れておく必要があります。
この時に入れる注文は、成行注文です。
なぜなら、初値がどれくらいの価格になるか分からないからです。
どんな価格になっても売却できるよう、初値売りは成行注文での発注を忘れないようにしましょう。
また、初値売りを出せるタイミングは、証券会社によって異なります。
そのため、いつから売り注文を出せるのか、必ず事前に確認しておきましょう。
なお、初値売りが出せるタイミングについては「【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順」で表にして証券会社ごとにまとめています。
IPO株を購入した証券会社がいつから初値売りの注文が出せるのか、事前にチェックしておきましょう。
-
【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順
IPO投資はいたってシンプル。初値が公募価格を上回れば良いからです。 抽選というハードルはあるものの、当選さえすれば、公募価格で買って初値で売るだけです。 それだけで利益が得られる可能性があるため、I ...
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【注意】IPOにおける購入代金の支払いタイミングについて
IPOでは、購入代金が必要となるタイミングが証券会社によって異なります。
大まかに分けると、
- ブックビルディングの参加前に必要となる会社
- 公募価格の決定日より前に必要となる会社
- 当選してから必要となる会社
の3つのパターンがあります。
自分がIPOを申し込んだ証券会社の代金の支払いタイミングがいつになるのか、必ずチェックしておきましょう。
なお、主な証券会社の代金の支払いタイミングについては、こちら(ブックビルディングの記事のURLを添付)で表にまとめています。
また、「後期型」と呼ばれる証券会社に関しては、購入することが大前提で抽選に参加することになります。
そのため、当選後に購入の手続きをすることはありません。
購入手続きのタイミングについても、こちら(ブックビルディングの記事のURLを添付)の記事で説明していますので、確認しましょう。
それでは次に、IPO投資に必要な資金について説明します。
どれくらいの資金が必要になるのでしょうか。
IPO投資に必要な資金の目安
IPO投資に必要な資金の目安は、まさにケース・バイ・ケースです。
なぜなら、仮条件の上限が各IPOで異なるからです。
ですが、必ず覚えておいてほしいことがあります。
それは、
- 仮条件の上限×購入株数×申込社数
という式です。
IPOに申し込む際の資金の目安を知りたいなら、上記式に具体的な数値を当てはめて計算しましょう。
実際には、当選後入金の会社もあります。
また、落選した会社の資金をそのまま後期型の会社に回すこともできます。
そのため、上記の式で算出した金額よりも少なくて済む可能性が高いです。
ですが、念のため資金には余裕を持たせておきましょう。
次に、IPO投資におすすめの本やサイトを紹介します。
IPO投資のおすすめ本・サイト
IPO投資に関する書籍は少ないです。
一方、IPOに関するサイトは多く、詳細な説明がされているものも珍しくありません。
ここでは、おすすめの本やサイトを紹介します。
IPO投資のおすすめ本
IPO投資のおすすめの本は「改訂版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ! 」です。
先述のとおり、IPO投資について書かれた本は非常に少ないです。
この本はIPO投資について基本から体系的にまとめていて、初心者にも無理なく理解できます。
「インターネットで得られるIPOの知識が断片的で分かりにくい」という人におすすめの一冊です。
IPO投資のおすすめサイト
IPO投資のおすすめサイトは
です。
IPOに関する総合情報サイトです。
基礎知識を学ぶというよりも、実際のIPO投資に役立つ情報を得たい時におすすめのサイトです。
IPOの基礎を身に付け、実際に抽選に参加する際に、このサイトを利用すると良いでしょう。
最近のIPOの傾向やIPOの騰落結果など、様々な情報が得られます。
次に、NISAについて説明します。
NISAで投資しよう
NISAは、「少額投資非課税制度」のことです。
株や投資信託で利益や配当金を得た際にかかる税金が、期間限定で一定額まで非課税になります。
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をし、売却益や配当益を受け取ると、20.315%の税金がかかります。
しかし、NISAを利用して投資した場合は、例外です。
一定額までの投資であれば、その利益によって得られた利益は非課税となります。
つまり、手数料以外は、得た利益の全てを得られることになるのです。
NISAには、
- NISA
- ジュニアNISA
- つみたてNISA
という3つの種類があります。
なお、NISA口座は、一度開設すると証券会社の変更は一年間できません。
そのため、どこで口座開設するかは重要です。
また、NISA口座は、証券会社や銀行などの金融機関によって、
- 手数料
- 取扱い商品数
- 株の取り扱いの有無
- 外国株や海外ETFの取扱い
- 転勤や引越しの対応の可否
という点に違いがありますので、比較して自分に合った口座を選ぶ必要があります。
それでは、NISA口座で取引するにはどうすれば良いのでしょうか?
次に、そのことを説明します。
NISAの流れ
NISA口座を開設するには、証券会社や銀行などで申し込みます。
ただし、銀行で口座を開設する場合は注意が必要です。
銀行では、NISAの種類に関わらず投資信託にしか投資できない場合がほとんどです。
また、銀行の場合、証券会社よりも取扱い投資信託の種類が少ないです。
そのため、事前の確認が必要となります。
ネット証券にNISA口座を開設する場合、は下記の手順で行います。
- 証券会社のHPからNISA口座の開設ページへアクセスする
- 必要事項を入力する
- 本人確認書類をアップロードする
- マイナンバーを登録する
- 取引開始
という流れで行います。
なお、証券会社によっては、NISA口座の開設を書類申込で行うところもあります。
その場合も、申込書に記載する内容は、ネットで申し込むケースと同じです。
申込書類に氏名や住所などの必要事項を記入し、本人確認書類とマイナンバーカードをコピーします。
そして、これらの書類を証券会社に郵送するのです。
余談ですが、住民票については、コピーは不可です。
というのも、住民票自体が「住民票の写し」ということで、コピーだからです。
住民票をコピーしたものは「コピーのコピー」という扱いになり、本人確認書類として認められません。
そのため、住民票に関しては、役所で取得した住民票の写しを送付します。
また、個人番号が記載された住民票に関しては受け付けられない証券会社もあります。
そのため、取得の際は、個人番号が記載されていないものを取得した方が良いでしょう。
口座開設を申し込んでから、実際に取引できるまでの期間は証券会社によって異なります。
最短では、2営業日ほどで可能な会社もあるようです。
また、一部の証券会社ではみなし口座開設という形で、即日NISA口座を開設できるところもあります。
次に、NISAに必要な資金がどれくらいになるのか、ということを説明します。
NISAに必要な資金の目安
NISAで投資をする場合、信用取引はできません。
そのため、投資対象となる株や投資信託に必要な資金を、そのまま用意する必要があります。
ただし、証券会社によっては単元未満株の投資もできます。
NISAでは、非課税投資枠が決められているので、NISAの種類によって投資額の上限が決められています。
一般NISAの場合は、年間120万円までが上限です。
それを超える場合は通常の投資として扱われ、課税対象になります。
それ以外の非課税投資枠は、つみたてNISAが年間40万円、ジュニアNISAが年間80万円となります。
ここまでNISAについての概要を説明しました。
次に、NISAにチャレンジする際に、見ておきたい本やサイトを紹介します。
NISAにおすすめの本・サイト
NISAについて詳しく解説している本やサイトも数多くあります。
その中でも、おすすめの本とサイトを紹介します。
NISAのおすすめ本
NISAにおすすめの本は「【完全ガイドシリーズ238】NISA完全ガイド」です。
NISAに関する情報を集めたムック本です。
投資のプロたちが、NISAで運用するのにお勧めの銘柄について診断しています。
NISA取引する銘柄や投資信託に悩む場合に参考になるでしょう。
NISAのおすすめサイト
NISAにおすすめのサイトは「みんなにいいさ!NISAがいいさ!!」です。
参考:トップページ「みんなにいいさ!NISAがいいさ!!」|日本証券業協会
日本証券業協会が運営するNISAに関するサイトです。
NISAがどのようなものなのか、という基本を押さえることができる構成になっています。
初心者がNISAに関する基礎知識を得るのに最適なサイトです。
さて、次に配当金について説明します。
配当金で利益を得よう
長期的に株式投資をする場合、企業から分配される配当金を目的に投資するという方法もあります。
年に何度かもらうことができる配当金は、高くても年間利回りが5%程度なのですが、それでも20年続ければ元本をカバーできることになります。
また、株価の変動によって利回りは変化します。
業績が良くなり株価が上がるにつれて配当金も高くなれば、もっと早い段階で元が取れることもあります。
配当金を目的として投資するのであれば、注意するべき点は
- 配当利回り
- 業績
- 連続増配実績
の3点です。
配当利回りが高ければ、元本をカバーできるようになるまでの年数が短くなります。
その場合、投資した金額に対する収益率も高くなります。
また、業績が良ければ将来的には配当の増配および株価の高騰へとつながるでしょう。
増配が何年も続いている企業は、今後も増配が続く可能性が高まります。
そうなった場合、将来的に利回りが現在以上となる可能性も高くなるのです。
配当金狙いの株取引の流れ
配当金を狙って株式投資を行う場合は下記の流れで行います。
- 配当金を出している会社のリストをインターネットで探す
- 権利付最終日までに選んだ会社の株を現物で買う。
- 権利落ち日に株を売る。
それぞれについて説明します。
①配当金を出している会社のリストをインターネットで探す
配当金を出している会社のリストは
などのサイトから探せます。
配当予定の会社を見て、気になるものをチェックしましょう。
初心者はこの時、連続配当、その中でも連続増配を行っている会社を選ぶとなお良いでしょう。
連続増配している企業の探し方は
でチェックすることができます。
②権利付最終日までに選んだ会社の株を現物で買う。
配当をもらうには、権利確定日までに配当や株主優待を出す企業の株を保有し続けている必要があります。
権利確定日に、その株を持っているかどうかがチェックされるのです。
言いかえれば、この権利確定日ギリギリに株を買って大引けを迎えればいいとうことになります。
ただ、月末が土日、祝日の場合は、その直近の営業日が権利確定日となります。
例えば、3月末が権利確定日だとします。
この場合、3月31日が日曜日であれば、3月29日(金)が権利確定日ということになります。
しかし、実際にはこの権利確定日に慌てて買っても意味がありません。
なぜならば、株の売買には受け渡し日が存在するからです。
株を買ったからといって、すぐに自分のものになるわけではありません。
また、売った場合もすぐに買い手のものになるわけではありません。
売買が約定した日から起算して、3営業日目に自分のものになります。
つまり、4月1日に買った株は、4月3日に自分のものになります。
買った日が木曜日なら、自分のものになるのは翌週の月曜日です。
この、「自分のものになる日」、つまりは株と代金をやり取りする日が受渡日となります。
そのため、配当金狙いで権利確定日当日に株を購入してしまうと、配当はもらえません。
権利確定日の2営業日前が「権利付き最終日」になります。
この日に株を持っておくことが、配当や株主優待をもらえる条件となるのです。
例を挙げます。
9月30日(月)が権利確定日となる株があるとします。
この場合、その2営業日前にあたる9月26日(木)が権利付き最終日となるのです。
つまり、この日までに株を保有しておけば、配当がもらえることになります。
なお、月末が土日祝日の場合は、その前日の営業日(金曜日が平日だったらこの日)が権利確定日となります。
③権利落ち日に株を売る
「権利付き最終日」の翌営業日のことを「権利落ち日」といいます。
この日に株を売却してしまっても、問題はありません。
権利付き最終日まで株を保有してさえいれば、配当を受ける権利が得られるのです。
ただ、株価が上昇トレンドにあるなど、長期保有するメリットがあるのなら、ここで敢えて売る必要はありません。
このまま保有し続けて、キャピタルゲインの獲得も狙いましょう。
また、配当狙いで買われることの多い株は、この日に値下がりすることもよくあります。
その場合も慌てて売る必要はなく、今後値上がりする可能性のある株ならば、もう少し保有しておき、再度株価が上がり始めてから売るという方法もあります。
ここまで、配当金を貰うまでの流れを説明しました。
次に、配当金狙いの取引に必要な資金がどれくらいか、ということを説明します。
配当金狙いに必要な資金の目安
配当金は1株からでももらえます。
ですが、実際の売買では1単元100株となっていて、現物で取引しなければなりません。
そのため、最低でも株価×100株の投資金額が必要ということになります。
ちなみに、単元未満株の場合も配当金はもらえます。
その場合は、株価×購入株数分の投資資金が必要になります。
つまり、1株だけ買えば、1株分の配当金を貰うことができるわけです。
また、株式ミニ投資の場合は、自分名義ではなく証券会社名義で保有するケースもあります。
その場合、配当は株式の持分に応じて配分されます。
それでは次に、配当金の獲得を狙う人におすすめの本やサイトを紹介します。
配当金狙いにおすすめの本・サイト
配当金狙いの投資について、詳しく書かれている書籍やサイトなどは数多くあります。
その中から、特におすすめの書籍やサイトを紹介します。
配当金狙いにおすすめの本
配当金狙いにおすすめの本は「株初心者も資産が増やせる高配当株投資 (高配当&堅実成長で値上がる銘柄の探し方)」です。
高配当株にスポットを当てた、株式投資の本です。
高配当を探すための基礎知識はもちろん、高配当株の買い方や売り方のタイミングも説明しています。
初心者にもわかりやすいよう、事例も豊富です。
配当目的で投資したい人は、一度読んでみると良いでしょう。
配当金狙いにおすすめのサイト
配当金狙いにおすすめのサイトは「みんなの株式」です。
株式投資の情報サイトであるみんなの株式には、配当利回りランキングが掲載されています。
ここに記載されている高配当銘柄のランキングはもちろん変動します。
そのため、高配当銘柄を選ぶ際には、あくまでも参考程度にとどめておくと良いでしょう。
上で紹介した本との併用がおすすめです。
本を参考に高配当銘柄を探し、その銘柄がどれくらいの配当利回りなのか、みんなの株式で確認します。
みんなの株式には目標株価も出ているため、その銘柄の株価のトレンドが大まかに把握できるのも便利です。
ここまで、配当金について説明しました。
次に、株主優待について説明します。
株主優待で利益を得よう
配当狙いと似たような投資方法として、株主優待狙いでの投資があります。
株主優待は、企業によってあるところとないところがあります。
配布される優待の内容は、主に自社の製品やサービス券などです。
しかし、企業によってはクオカードやグルメ券など、自社に直接関係のないものを配布することもあります。
配当金狙いと違い、株主優待狙いの投資では注意するべき点があります。
それは、優待内容の確認です。
株主優待には、配当金と同様に優待利回りというものがあります。
しかし、いくら利回りが高くても、不要なものをもらっては役に立ちません。
自分に有用なものか、もしくは換金しやすいものなどを狙うようにしましょう。
また、QUOカードやJCBギフトカードといった金券類がもらえる株主優待にも注意が必要です。
これらの優待は使える場所が多く、非常に有用です。
ただ、優待を出す企業の業績によっては、コストカットの対象になりやすいのです。
業績が良い場合は気にする必要はありませんが、このようなリスクがあることを心に留めておきましょう。
それでは次に、株主優待を貰うまでの流れを説明します。
株主優待ゲットまでの流れ
株主優待を狙って株式投資を行う場合は下記の流れで行います。
- 株主優待を出している会社のリストをインターネットで探す
- 権利付最終日までに選んだ会社の株を現物で買う。
- 権利落ち日に株を売る。
それぞれについて説明します。
①株主優待を出している会社のリストをインターネットで探す
株主優待を出している企業のリストは
などのサイトから探せます。
株主優待を行っている会社を見て、気になるものをチェックしましょう。
②権利付最終日までに選んだ会社の株を現物で買う。
株主優待もらうのは、配当と同じです。
権利確定日までにその企業の株を保有し続けている必要があります。
だだし、配当のところで書いたのと同様、権利確定日に慌てて買っても意味がありません。
これも配当のところで書きましたが、株の売買には受け渡し日が存在するからです。
配当のところで書いたとおり、株は買ったらすぐに自分のものになるわけではありません。
売買が約定した日から起算して、3営業日目に自分のものになります。
つまり、4月1日に買った株は、4月3日に自分のものになる、ということです。
間に土日祝日を挟む場合は、土日祝日を除いてカウントします。
つまり、買った日が木曜日なら、自分のものになるのは翌週の月曜日ということになります。
また、買った日が木曜日で翌日の金曜日が祝日の場合は、翌週の火曜日に自分のものになります。
この自分のものになる日、つまりは株と代金をやり取りする日が受渡日です。
そのため、株主優待狙いで株を購入したとしても、権利確定日当日に株を購入すると株主優待はもらえません。
権利確定日の2営業日前が「権利付き最終日」になります。
この日に株を持っておくことが、株主優待をもらえる条件となるのです。
例えば、10月31日(月)が権利確定日となる場合について考えてみましょう。
この場合、その2営業日前にあたる10月28日(木)が権利付き最終日となります。
この日までに株を保有しておけば、株主優待がもらえるわけです。
なお、月末が土日祝日の場合も、配当と同じです。
その前日の営業日(金曜日が平日だったらこの日)が権利確定日となります。
つまり、10月31日が日曜日だった場合は、10月29(金)が権利確定日になる、ということです。
③権利落ち日に株を売る
「権利付き最終日」の翌営業日のことを「権利落ち日」といいます。
この日に株を売却してしまっても、問題はありません。
権利付き最終日まで株を保有してさえいれば、株主優待を受ける権利は得られます。
ただ、配当のところで説明したのと同様、ここで敢えて売る必要がないケースもあります。
それは、株価が上昇トレンドにあるなど、長期保有するメリットがある場合です。
その場合はそのまま保有し続けて、キャピタルゲインの獲得も狙いましょう。
また、株主優待狙いで買われることの多い株は、この日に値下がりするケースが多いです。
これも配当と同じです。もし値下がりしても、それが一時的なものならば、ここで売る必要はありません。
また、だいぶ安い水準で買っていた場合、値下がりしてもなお利益が残るケースもあります。
その場合も売る必要はないでしょう。
今後値上がりする可能性があるならば、そのまま保有し、再び株価が上昇してから売っても良いのです。
ここまで、株主優待を貰うための流れを説明しました。
次に、株主優待に必要な資金について説明します。
株主優待に必要な資金の目安
株主優待に必要な資金は銘柄によりけりです。
少ないものなら、1株から株主優待を得ることができます。
例えば、日本ケミファ(4539)は1株から株主優待を実施しています。
内容は、年に2回、同社のヘルスケア商品の特別割引販売を受けることができる、というものです。
同社の株価(2019年10月18日現在)は2,811円ですので、この金額で株主優待を受けられる、ということになります。
一方で、株主優待が好評なオリエンタルランド(4661)は、100株から株主優待が実施されます。
同社の株価(2019年10月18日現在)は16,485円です。
この株価で計算した場合、16,485×100=1,648,500円が必要になります。
ちなみに、この金額で貰える株主優待は、「東京ディズニーランド」などの1日パスポート券1枚です。
このように、株主優待は銘柄ごとに獲得できる条件が異なり、必要な資金も銘柄によって違います。
株主優待を得るための条件を事前に調べた上で、資金がどのくらいになるのか計算しましょう。
株主優待におすすめの本・サイト
株主優待狙いの投資は、主婦や学生、投資家などを問わず人気があります。
そのため、それを解説した本やサイトも数多くあります。
その中から、特におすすめの本やサイトを紹介します。
株主優待狙いにおすすめの本
株主優待狙いにおすすめの本は「株主優待ハンドブック 2019-2020年版 (日経ムック)」です。
株主優待実施1,500社を独自に調べたムック本です。
PER、PBRなど各社の主要投資指標の他、最低投資金額も記載しています。
毎年出版されている、株主優待目的での投資に非常に便利な本です。
優待内容も分かりやすく見やすいため、初心者にもおすすめです。
株主優待狙いにおすすめのサイト
株主優待狙いにおすすめのサイトは
です。
株主優待と配当に特化した情報サイトです。
株主優待を実施している会社は優待内容などから検索でき、便利です。
会社ごとの優待内容のデータも分かりやすいため、使いやすいサイトではないでしょうか。
企業の紹介や株主優待に対する感想なども掲載しています。
ここまで、株主優待について説明しました。
次に、売買益によるキャピタルゲインについて説明します。
売買益によるキャピタルゲインを狙う
株式投資においては、売買益によるキャピタルゲインを狙うのが基本です。
大きな利益を狙うこともでき、売買のタイミングも自分で決めることができます。
しかし、価格変動リスクが常に付きまとう投資方法でもあります。
キャピタルゲイン狙いの投資は、初心者からプロの投資家まで行う投資方法です。
また、株だけでなく、FXや商品先物など、あらゆる投資商品でキャピタルゲイン目的の投資が行われています。
安く買って高く売る、あるいは高く売って安く買い戻すシンプルな方法です。
ただし、その分注意して行わなくてはいけません。
キャピタルゲイン狙いの投資は、短期的な投資から中期、長期的な投資まで様々です。
企業の成長を狙い、投資する方法が基本です。
他にも割安な状態で放置された株を買い、本来の株価になるのを狙う方法もあります。
多種多様な手法があるのがキャピタルゲイン狙いの投資法です。
その分、自分なりのルールをしっかりと決めて投資に臨む必要があります。
さて、それでは、株の売買によるキャピタルゲインをどのように獲得するか、説明します。
投資の基本となる方法ですので、しっかり理解しましょう。
売買益によるキャピタルゲイン獲得の流れ
売買益によるキャピタルゲインを狙う場合は、下記の流れで行います。
- 買いたい銘柄を選ぶ
- 株を買う
- 自分で決めた利益確定ラインに到達したら、売却する
売却益によるキャピタルゲインを狙う投資は、株式投資の基本です。
シンプルにいえば、安く買って高く売る、というこれだけです。
それによって、差額が利益となるのです。
ただし、思惑通りに株価が動くとは限りません。
安く買ったつもりが、もっと安くなることもあるでしょう。
基本的な方法だからこそ、慎重に投資していくべきなのです。
それでは、①~③のそれぞれについて説明します。
①買いたい銘柄を選ぶ
まずは、どの銘柄を買うのか、買いたい銘柄を選ぶところから始まります。
その際は、最初に予算を決めましょう。
銘柄はその予算内で選ぶことになります。
また、予算に対して株価が安い場合は、その銘柄を多く買うこともできます。
しかし、また別の銘柄を買うこともできるので、その点も考えなくてはいけません。
銘柄の選び方として、初心者におすすめなのは、自分にとって身近な銘柄です。
自分が詳しい業界の企業や、普段使っている商品のメーカーなど、何でも構いません。
身近なものは「こういう商品が売れているから、業績が良さそう」などのイメージがしやすいのです。
「この銘柄がいい」という情報があっても、自分にとって身近でなければイメージしづらいでしょう。
というのも、何が株価を動かすポイントになるか分からないからです。
そのため、できるだけ自分にとって分かりやすい身近なものから始めてみましょう。
少し慣れてきたら、最近、ニュースなどでよく聞く名前の企業を調べ、投資対象に選んでみます。
また、証券会社からの投資情報にあった企業も探してみましょう。
こうやってチェックした企業が買う銘柄の候補になり、投資対象が増えていくのです。
さて、いくつかの銘柄をチェックしたら、まずは現在の株価をチェックします。
現在の株価が、自分の予算内で買える金額かどうか確認しなくてはいけません。
ただ、100株買うには高すぎるという場合は、単元未満株として1株単位で買うことも考えてみましょう。
買える銘柄に絞ったら、今度はチャートを見てみます。
この時、テクニカル指標も利用してみましょう。
例えば、テクニカル指標には移動平均線という指標があります。
この移動平均線を5日などの短期と25日などの長期の2本で表示してください。
その線のうち、短期の線が長期の線を上に抜けて交差する形になっているものがあればチャンスです。
これは、ゴールデンクロスという状態です。
この状態になっているときは、買い場が到来しているとみなされます。
つまり、この後、株価が上昇する可能性が高いのです。
これ以外にも、テクニカル指標には買いシグナルといわれる買いのタイミングを示すものがあります。
それぞれ、チェックしてみるといいでしょう。
また、財務指標などもチェックしましょう。
特に、PERやPBRは真っ先にチェックするべきです。
これが適正値を割り込んでいると、割安株としてその後株価が上がる可能性が高くなります。
ただし、テクニカル指標も株価指標も、株価が上がることを保証するものではありません。
その点だけは気を付けましょう。
証券会社の中には、銘柄選びに役立つツールを提供しているところもあります。
例えば、カブドットコム証券のkabuカルテ®などです。
kabuカルテ®にはRSIやMACDなどのテクニカル指標と銘柄のチャートとを照らし合わせる機能があります。
そして、その中で買いや売りのシグナルが出ている指標を一目でわかるように表示してくれるのです。
そのため、自分で様々なテクニカル指標を参照する手間が省けます。
買い銘柄を選ぶ際は、多くのテクニカル指標で買いシグナルが出ているものを選ぶと良いでしょう。
こうしたツールについても、証券会社の方で用意しているかどうか確認してみましょう。
あるようなら、積極的に活用することをおすすめします。
②株を買う
買う銘柄が決まったら、いよいよ株を買いましょう。
株を買う場合は、証券会社に注文を出します。
その際は、きちんと資金が入金されているか、あらかじめ確認しておいてください。
株を買う際の注文方法には、2つあります。
価格をあらかじめ指定しておく指値注文と、価格に関係なく約定を優先させる成行注文です。
成行注文の場合、想定よりも高値で株を買う羽目になることもあります。
急ぐ理由がない限りは、基本的に指値注文で買うようにしましょう。
③自分で決めた利益確定ラインに到達したら、売却する
株価は、常に上下しています。
たとえ今上がっていても、どのタイミングで下がり始めるか分かりません。
せっかく利益が出ていても、欲張っているとその後株価が下がってしまうかもしれないのです。
売り時を逃さないよう、どのくらいの利益を得たいのかあらかじめ決めておきましょう。
そして、自分で決めた利益確定ラインに到達したら、迷わず売却してください。
利益確定ラインを決めるのが難しいという場合は、テクニカル指標を利用するのも一つの方法です。
そこで、テクニカル指標に基づいて、利益確定ラインを決める方法を紹介します。
ここで紹介するのは、200日移動平均線とMACDを組み合わせる方法です。
その前に、いったんMACDについて説明します。
テクニカル指標は、
- トレンド系
- オシレーター系
の2つのタイプに大別することができます。
トレンド系は相場のトレンドを判断するテクニカル指標です。
一方、オシレーター系は、買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標です。
MACDはオシレーター系に分類されることが多いテクニカル指標です。
ですが、実はトレンド系指標としての側面もあります。
トレンド系とオシレーター系の両方を併せ持つ、珍しいテクニカル指標なのです。
MACDには「MACD線」と「シグナル線」という2種類の線があります。
この2つが相場の状況に応じて交差したり離れたりするのです。
交差した時が、MACDの売買タイミングです。
ただし、気を付けなければならないことがあります。
それは、どのように交差したのか、ということです。
MACDでは、MACD線がシグナル線とどのように交差しているかに着目します。
交差が、
- MACD線がシグナル線を下から上に抜ける
- MACD線がシグナル線を上から下に抜ける
のどちらになっているのかを確認するのです。
そして、
- ①の状態…ゴールデンクロス(買いサイン)
- ②の状態…デッドクロス(売りサイン)
というように判断します。
さて、200日移動平均線とMACDを組み合わせる方法について改めて説明します。
まずは200日移動平均線の向きをチェックします。
200日移動平均線が下向きになり、株価が200日移動平均線を下回った時に、MACDを確認しましょう。
その結果、MACDがデッドクロスになっていれば、それは売り時であることを示しています。
反対に、200日移動平均線の向きが上向きだとします。
株価が200日移動平均線を上回ったタイミングで、MACDがゴールデンクロスなら買い時です。
なぜMACDだけを見て判断しないのかというと、単独で極めて精度の高いテクニカル指標は存在しないからです。
どのテクニカル指標も一長一短であるため、互いの欠点を補うために、複数利用します。
ただし、10種類も20種類も併用するのかというと、そうではありません。
多い人でもせいぜい4、5種類といったところです。
あまりに多すぎると、判断するのが大変になってしまいます。
そのため、2、3種類のテクニカル指標を組み合わせて使うケースが多いのです。
さて、上がった株価がいったん下落することがあります。
つまり、長期的な上昇トレンドの中の一時的な下落、というケースです。
これが一時的な下落なのか、あるいはトレンドの転換なのかを判断するにはどうすれば良いでしょうか。
そこで今度は、テクニカル指標の精度をさらに高める方法を紹介します。
先程は200日移動線とMACDの2種類を使う方法で説明しました。
今度はここに、100日移動平均線を加えるのです。
100日移動平均線と200日移動平均線が上向きだとします。
そんな中、100日移動平均線が、200日移動平均線を下から上に抜けたとします。
そして、株価も200日移動平均線を下から上に抜けたとします。
この時に、MACDを確認するのです。
MACDがゴールデンクロスとなっている場合は、やはり買いの状態になっていると判断します。
先程も書いたとおり、1つの指標だけでは正確性に欠けます。
しかし、複数の指標が同じタイミングで買い時や売り時を示す場合は、それだけ信頼性も高くなるのです。
明確な利益確定ラインが決められない時は、この例のようにテクニカル指標を参考にするのも一つの手です。
「この指標とこの指標で、こういうシグナルが出たら売る」というルールを決めると良いでしょう。
最もシンプルな利益確定ラインの決め方は、これだけ株価が上がったら売る、と最初に決めてしまう方法です。
株価やPERなどの投資指標によって利益確定ラインを決めるのであれば、テクニカル指標は特に必要ありません。
また、最初から指値注文で目標となる株価を入れておけば、タイミングを逃さずに済みます。
どのくらい上がる可能性があるのかは、過去の株価チャートを参考にしてみましょう。
ここまで、キャピタルゲイン獲得までの手順を説明しました。
次に、キャピタルゲインの獲得を狙った株式投資に必要な資金の目安について説明します。
キャピタルゲイン狙いに必要な資金の目安
株を買うために必要な資金は、株によって大きく異なります。
現在の単元株数は100株なので、基本的には株価の100倍の金額が必要です。
かつては、株式投資には50万円以上必要といわれていました。
しかし、単元株数が100株になったことで、10万円以下で投資できる株も増えています。
株価は銘柄によって大きな幅があります。
例えば、現在株価が安い銘柄としてはランド(8918)が挙げられます。
ランドの株価は、2018年10月18日現在で、1株8円です。
これを100株買う場合は、800円で買える計算になります。
反対に、高い銘柄としては、ファーストリテイリング(9983)が挙げられます。
ファーストリテイリングの株価は、2018年10月18日現在で、1株69,500円です。
これを100株買う場合は、695万円で買える計算になります。
このように、キャピタルゲインを狙った投資に必要な資金は、銘柄によって異なります。
そのため、まずはどんな銘柄を取引したいか確認しましょう。
そして、何株買うのかを決めるのです。
その上で、必要な資金を計算するのが良いでしょう。
なお、筆者の経験では、ということなのですが、300万円程あれば、株の取引の資金には苦労しないと思います。
もちろん、300万円では先ほどのファーストリテイリングのような株は買えません。
ですが、筆者は基本的に現物での取引はしないのです。
キャピタルゲイン狙いの場合は全て信用取引で行い、レバレッジを効かせて資金効率を上げます。
ただ、その場合、保有株式数には注意します。
株価が値下がりした時に、資金以上の負債が出ないようにするのです。
極端な話、株式投資は資金が多ければ多いほど、取引の自由度は上がります。
ですが、そんなに資金に余裕のある人はなかなかいないでしょう。
自分の用意できる余剰資金と取引したい銘柄とを比較し、投資金額を決めましょう。
キャピタルゲイン狙いにおすすめの本・サイト
株式投資の王道であるキャピタルゲイン狙いの投資には、非常に多くの種類の本やサイトがあります。
それぞれ、色々なやり方を教えているので、参考にしてみましょう。
その中でも、特におすすめの本とサイトを紹介します。
キャピタルゲイン狙いにおすすめの本
キャピタルゲイン狙いにおすすめの本は「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書」です。
楽天証券の投資情報サイト「トウシル」の執筆陣の一人である足立武志氏の著作です。
公認会計士兼個人投資家でもある同氏が、ファンダメンタルズ分析に必要な知識を分かりやすく説明します。
会社四季報の読み方、決算書の読み方など、株式投資に必要な知識の基礎固めに最適です。
キャピタルゲイン狙いにおすすめのサイト
キャピタルゲイン狙いにおすすめのサイトは
です。
各種テクニカル指標に条件を指定し、それに合った銘柄を検索してくれる便利サイトです。
検索できるテクニカル指標の数も多く、強いトレンドが出ている銘柄を選べます。
また、買いシグナルが多発している銘柄のみを取り上げたページもあります。
証券会社のスクリーニングに物足りなさを感じる場合に併用する、という使い方もできます。
ここまで、キャピタルゲイン獲得のための株式投資について説明しました。
最後に、セカンダリー投資について説明します。
セカンダリー投資で利益を得よう
IPO投資のもう一つの魅力が、セカンダリー投資です。
IPOといえば、すでに説明した抽選ありのプライマリー投資がメジャーです。
プライマリ―投資は非常に魅力なのですが、抽選の競争率が激しいため、なかなか参加できません。
しかし、セカンダリー投資には抽選がありません。
なぜなら、IPO株が上場した後に取引する方法だからです。
そのため、資金さえあれば誰でも取引できます。
セカンダリー投資は銘柄選びに少しコツが必要です。
ですが、チェックする項目さえ押さえてしまえば、通常の株式投資よりも簡単です。
IPOのプライマリー投資がなかなかできない場合は、セカンダリー投資に切り替えるのをおすすめします。
それではさっそく、セカンダリー投資をどのように行うのか、その流れを説明します。
セカンダリー投資の流れ
セカンダリー投資は、下記の流れで行います。
- IPOのスケジュール確認とチェック
- セカンダリー銘柄を買う
- セカンダリー銘柄を売る
それぞれについて説明します。
①IPOのスケジュール確認とチェック
IPOに参加する際は、その企業について確認するための目論見書を確認します。
ただし、それは誰でも見られるとは限りません。
IPOの主幹事や幹事となる証券会社に口座がなければ、見ることができない場合もあります。
そのときは、東京証券取引所のサイトを見てみましょう。
そこに、「新規上場申請のための有価証券報告書 (Iの部)」という項目があります。
これを見ると、目論見書に近い内容が書かれています。
こちらは、誰でも見ることができます。
この資料には、これから上場する企業の概要や、売り出し内容などが記載されています。
IPOに参加するかどうかを決める際に役立つ情報が網羅されていますので、IPO投資には欠かせません。
プライマリー投資のために見るケースが多いのではないかと思いますが、セカンダリー投資にも役立ちます。
ただし、この資料はかなりのボリュームがあります。
最初から最後までチェックしようとすると、うんざりしてしまう人も少なくないでしょう。
そこで、最低限チェックしておくべきポイントだけは押さえておきましょう。
チェックするポイントとしては、
- 上場市場の種類
- どんな事業を経営している会社か
- 業績の推移
- 財務状況
- 公募株数と売出株数
- 大株主がすぐに売却できる状態かどうか(ロックアップ条件)
- 新株予約権(ストックオプション)の有無
の7点です。
これらのポイントは、忘れずに確認してください。
この7点から何をどう判断するのか、ということは「【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順」にまとめています。
-
【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順
IPO投資はいたってシンプル。初値が公募価格を上回れば良いからです。 抽選というハードルはあるものの、当選さえすれば、公募価格で買って初値で売るだけです。 それだけで利益が得られる可能性があるため、I ...
続きを見る
また、その上でセカンダリー投資用の銘柄選びを行う方法については「【銘柄選びが重要】セカンダリー投資で勝ちやすい銘柄の特徴について解説」にまとめています。
セカンダリー投資用の銘柄を選ぶ際の参考にしてください。
-
【銘柄選びが重要】セカンダリー投資で勝ちやすい銘柄の特徴について解説
抽選のないIPOのセカンダリー投資は、通常の株式投資と同様、誰でも取引できます。 そこで問題になるのが 「どんな銘柄に投資すれば良いの?」 ということ。 当然のことながら、IPOのセカンダリー投資はど ...
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②セカンダリー銘柄を買う
上場日に実際にセカンダリー投資の取引をしてみましょう。
取引の方法は普通の株式投資と同じです。
なお、買い方には
- IPO銘柄を初値で買い、新規上場日の値上がりに乗って、その日のうちに売却する
- IPO銘柄を初値で買った後しばらくその銘柄を保有し、値上がりしたところで売却する
- IPO銘柄を初値ではなく、上場後に利益確定売りで下落したところを狙って買いを入れる。そして、ある程度の期間保有して値上がりを狙う
の3種類があります。
それぞれについて簡単に説明します。
1)IPO銘柄を初値で買い、新規上場日の値上がりに乗って、その日のうちに売却する
セカンダリー投資の代表的な投資方法です。
中には、これをセカンダリー投資として紹介しているケースもあります。
方法としては、まずIPO銘柄を初値で買います。
その後、値上がりの流れに乗り、その勢いのままその日のうちに売却してしまうのです。
この方法は「初値買い」といわれていて、セカンダリー投資の中では最も知られている方法です。
ただ、この方法は必ずうまくいくとは限りません。
思ったよりも値上がりしない銘柄も少なくないからです。
また、人気のあるIPO銘柄は、初値が公募価格の何倍にもなってしまうことがあります。
そのような銘柄は、初値が最高値になり、その後は株価が下がるだけとなることが多いです。
そのため、この方法を使うと却って損してしまうので注意が必要です。
2)IPO銘柄を初値で買った後しばらくその銘柄を保有し、値上がりしたところで売却する
IPO銘柄を初値で買い、それをすぐに売るのではなくしばらく保有しておきます。
それから、時間が経って値上がりしたのを確認して売るという方法です。
この方法は、初値が公募価格に近い程度しか上がらなかったケースで特に有効です。
ただし、大前提として、会社の内容がそれほど悪くない、という条件を満たしていなくてはいけません。
上場後、徐々にその銘柄に対する評価が高まることに期待して、先回りして投資するのです。
3)IPO銘柄を初値ではなく、上場後に利益確定売りで下落したところを狙って買いを入れる。そして、ある程度の期間保有して値上がりを狙う
IPO銘柄は、初値が最高値となることも珍しくありません。
そこで、初値では買わずに下落するのを待ちます。
そして、利益確定のために売りが集中して下落したところを狙うのです。
そこで買いを入れ、また下がったら買いを入れ…という感じで買いを繰り返し、下落が止まるのを待ちます。
その後、トレンドが転換して株価が上がってきたら売るという方法です。
ただし、利益確定売りで下落した銘柄全てが買いの対象になるかというと、そうではありません。
きちんと会社の業績を見極めた上で投資しなくてはならない、ということに注意が必要です。
このように、この3つの方法には長所・短所があります。
それぞれの詳細については「抽選なしでIPO投資できるセカンダリー投資とは?特徴や具体的な手順の全て」で説明しているので、確認してみてください。
-
抽選なしでIPO投資できるセカンダリー投資とは?特徴や具体的な手順の全て
株式投資の中でも、IPO投資は投資初心者からベテランまで、多くの投資家に人気があります。 しかし、IPO投資は誰でもできるわけではなく、抽選に参加し、当選しなくてはいけません。 そのため、IPOで投資 ...
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③セカンダリー銘柄を売る
セカンダリー投資は、買い方によって売るタイミングも異なります。
初値買いの値上がり狙いであれば、その価格が上昇して下がり始めたらすぐに売るべきです。
一気に株価が上がった銘柄は、下がる時もあっという間になることが多いです。
ためらっているとせっかくの利益が一気に失われる可能性もあります。
初値が公募価格に近い銘柄を初値で買った場合、売るべきタイミングは上場後の最初の決算期です。
決算の結果、業績が上がっているようならその後の値上がりを予想して持ち続けても良いでしょう。
なお、業績がその後も右肩上がりが続くようなら、無理に売る必要はありません。
業績が予想したほどではなかった場合は大きく値下がりする前に売ってしまいましょう。
株価の下落時にセカンダリー銘柄を買った場合は、株価が高値を更新した頃を見計らって売りましょう。
上場後に、その銘柄が見直されて株価が向上する銘柄は、じっくりと株価が上がります。
その場合、いずれ高値を更新することも多いのです。
焦る必要はないので、しっかりと見極めましょう。
売り時を測るに方法にはテクニカル指標もあります。
移動平均線のデッドクロスなど、シンプルでわかりやすく売り時を示してくれるシグナルもあります。
ただし、IPO銘柄の場合は、テクニカル指標が使えるようになるのに時間がかかります。
そのため、IPO銘柄でテクニカル指標を使って売り時を判断するのであれば、長期保有が前提です。
1年など長期で持ち、テクニカル指標が効くようになった時に、判断材料として使うと良いでしょう。
また、株価が停滞期に入った時を売り時とするのも一つの方法です。
不祥事や業績悪化などよほどの材料がある場合を除き、上昇した株価が、いきなり下がるケースは少ないです。
通常は、株価が下がる前に、いったん停滞します。
停滞時は、買いと売りが拮抗している状態です。
相場のトレンドが転換する際は、その前にこの停滞が起こりやすくなります。
相場が停滞していると思った時は、即座に利益を確定させましょう。
ここまで、セカンダリー投資の流れについて説明しました。
次に、セカンダリー投資に必要な資金の目安について説明します。
セカンダリー投資に必要な資金の目安
現在、株式投資における単元株数は100株です。
もしも初値で買うのであれば、必要な資金は初値×100株ということになります。
この場合に問題となるのは、初値がいくらになるのか、ということです。
初値を事前に知ることは誰にもできません。
しかし、公募価格がどの程度適正価格から安くなっているかを考えると、参考になるでしょう。
IPOでは、公募価格は本来の価格からディスカウントされて値付けされます。
銘柄によって異なりますが、一般的には、本来の価格から2、3割程度安くなっていることが多いのです。
これを基にして、初値がどのくらいまで上がるのかを考えてみましょう。
例えば3割程度のディスカウントであればどうでしょうか。
公募価格が700円の銘柄は本来、1,000円ということになります。
そこで、初値は1,000円になると仮定して、そこから必要資金を計算してみるという方法もあります。
ただし、人気のない業種のIPOであれば、初値が公募価格をわずかに上回る程度で終わってしまうこともあります。
また、銘柄によっては公募割れとなることもあります。
とはいっても、資金はなるべく多い方がいいので、差し当たっては3割ということで計算しましょう。
ここまで、セカンダリー投資について説明しました。
そこで次に、セカンダリー投資をする上でおすすめの本やサイトを紹介します。
セカンダリー投資のおすすめ本・サイト
セカンダリー投資は、最近注目を集めている投資方法です。
ただし、関連書籍は少ないです。
一方、サイトについては増えつつあります。
その中でも、おすすめの本とサイトを紹介します。
セカンダリー投資におすすめの本
セカンダリー投資におすすめの本は「いつでも、何度でも稼げる! IPOセカンダリー株投資」です。
(いつでも、何度でも稼げる! IPOセカンダリー株投資 柳橋 著)
セカンダリー投資に関する本は非常に少ないです。
その中でもこの本は、セカンダリー投資について、初心者にもわかりやすくまとめています。
セカンダリー投資の具体的な手法もまとめていて、自分に合った手法を見つけるのにも役立ちます。
セカンダリー投資におすすめのサイト
セカンダリー投資については本サイトでもかなり詳細に解説しています。
日々数億円のトレードをしてきた私が直接かいていますので一度気になる記事からご覧ください。
他にも「やさしいIPO株のはじめ方」がおすすめです。
IPOの総合情報サイトです。
プライマリー投資にも役立ちますが、セカンダリー投資にも役立ちます。
セカンダリー投資の場合は、IPOの企業情報を確認しましょう。
サイト独自で各IPOの総合評価をしていますので、初値を予想するのに役立ちます。
この中から、セカンダリー投資に向きそうな銘柄をピックアップしていくと良いでしょう。
さて、ここまで、初心者におすすめの投資法を説明しました。
しかし、中には「いきなり多額の資金を株式投資に使うのは心配」という人もいるでしょう。
そこで、次に、初心者が本格的な株式投資をする前の練習方法として有効な、単元未満株について説明します。
【番外編】単元未満株の少額投資で投資に慣れていこう
株式投資を本格的に始める前に、まずは単元未満株で投資して練習していくことをおすすめします。
単元未満株は、通常100株単位で取引される株式投資を、1株単位で取引できるようにしたサービスです。
証券会社によって、できるところとできないところがあります。
単元未満株は、少額で実際に株を取引するものです。
少額とはいえ、本当に自分の資金を使って行います。
その分、緊張感をもって取引に臨むことができます。
それでは単元未満株の流れを簡単に説明します。
単元未満株の流れ
単元未満株による少額投資で利益獲得を狙う場合は、下記の流れで行います。
- 単元未満株の取扱いがある証券会社に口座開設する。
- 銘柄を選ぶ
- 実際に売買する
それぞれについて説明します。
①単元未満株の取扱いがある証券会社に口座開設する。
単元未満株を扱っている証券会社は、ごく一部に限られます。
SBI証券(S株)、マネックス証券(ワン株)、カブドットコム証券(プチ株)の3社が知られています。
なお、岡三オンライン証券も単元未満株の取扱いを行っています。
このうち、SBI証券の最低手数料は税抜50円です。
しかし、カブドットコム証券とマネックス証券は、最低手数料が税抜48円と少しだけ安くなっています。
また、岡三オンライン証券は手数料が税抜200円からと高いです。
手数料の計算は、SBI証券、マネックス証券、カブドットコム証券が、約定代金×0.500%です。
岡三オンライン証券は、1注文の約定代金の上限が段階ごとに分けられ、それぞれの段階で手数料が定められています。
②銘柄を選ぶ
まずは、投資する対象となる銘柄を選びましょう。
ただし、単元未満株と通常の株式投資の違いについて、理解した上で選ぶ必要があります。
まず、知っておかなければいけないのは、単元未満株の場合は現物取引しかできない、ということです。
そのため、信用取引には対応していません。
また、売買できる時間も限られています。
SBI証券のS株と、カブドットコム証券のプチ株は前場と後場の始値でのみ取引ができます。
マネックス証券のワン株は、後場の始値だけです。
岡三オンライン証券は、注文受付時間を3つに分け、それぞれ約定単価が定められています。
例えば、16時15分~21時までの間の注文は翌営業日の前場の始値となります。
また、注文の締め切り時間も、証券会社ごとに異なっています。
そのため、単元未満株はリアルタイムでの取引はできません。
単元未満株は指値での注文はできず、注文方法は成行注文だけです。
手数料に関しても、通常の株式投資より割高になるという点に注意してください。
ここまでで分かるとおり、単元未満株は、リアルタイムでの取引ができません。
つまり、デイトレードはできない、ということになります。
そのため、中長期で上昇していく、上昇トレンドに入った銘柄に注目し、取引すると良いでしょう。
上昇トレンドに入った銘柄を選ぶコツとしては、まず株価と25日移動平均線との乖離率に注目します。
現在の株価が移動平均線よりも上に乖離し始めたら、買い時です。
その後、株価が下降トレンドに転換したと判断したら、売り時になります。
ただし、あまり大きく乖離している状態であれば、それは高値掴みになりかねないので注意しましょう。
③実際に売買する
銘柄選びが終わったら、実際に売買してみましょう。
売買の際は、証券会社の取引ツールかホームページから発注します。
発注して、受付時間になったら株を買ったことになります。
後はその株が、どのように値動きしていくのかを見ていきましょう。
ここまで、単元未満株の取引の流れを説明しました。
次に、単元未満株の取引に必要な資金について説明します。
単元未満株の取引に必要な資金の目安
単元未満株の場合は、1株から買えるので普通の株式投資よりもはるかに少ない資金で始められます。
自分が取引したい銘柄と、その株数から資金がいくら必要か考えてみましょう。
例えば、ソフトバンクグループ(9984)の株は2019年10月24日現在で4,067円です。
これを取引する場合、通常の取引では406,700円の資金が必要です。
しかし、単元未満株では4,067円で1株、8,134円で2株、というように、はるかに少ない資金で取引できます。
分散投資をする際は、買いたい銘柄数とそれぞれに必要な資産を計算しましょう。
また、単元未満株を利用した投資方法として、積立投資があります。
毎月1万円あれば、1つか2つの銘柄へと少しずつ投資していくことも可能です。
合計で100株を超えれば、通常の株式投資と同じように扱うこともできます。
単元未満株であっても、配当などはその株数に応じてもらうことができます。
また、100株未満であっても株主優待をもらえる企業もあります。
さて、次に、単元未満株の取引におすすめの本やサイトを紹介します。
単元未満株の取引におすすめの本・サイト
単元未満株での投資について、詳しく紹介している本やサイトは数少ないながらもあります。
その中から、特におすすめの本やサイトを紹介します。
単元未満株の取引におすすめの本
単元未満株の取引おすすめの本は「オニールの成長株発掘法」です。
(オニールの成長株発掘法 【第4版】 (ウィザードブックシリーズ) ウィリアム・J・オニール 著, スペンサー倫亜 訳)
単元未満株は、リアルタイムでの取引ができません。
そのため、基本的には中長期で上がる銘柄に取引する必要があります。中長期で上がる銘柄の王道が、成長株です。
この本は、アメリカ屈指の投資家であるオニール氏が書いた、成長株投資のバイブルです。
少々高価ですが、中長期投資に必要な手法が詳しく書かれています。
銘柄選択や売買タイミング、損切ラインなどが具体的に決められており、初心者も参考にできるでしょう。
単元未満株の取引におすすめのサイト
単元未満株の取引で参考になるサイトは
20代が個人で資産運用してみるブログ(3500万円を投資中)
です。
実際に単元未満株を運用している人のブログです。
様々な投資にチャレンジする中で、単元未満株への投資も行っているようです。
実際にSBI証券のS株で株を買っています。
買うまでの流れも書かれていますので、参考にすると良いでしょう。
さて、ここまで、株式投資法について説明してきました。
これらの投資法を実践するには、証券会社で口座開設をする必要があります。
そこで、次に、初心者におすすめの証券会社を紹介します。
初心者におすすめの証券会社5つ
証券会社はたくさんありますが、投資方法によっておすすめできる証券会社は異なります。
ここでは、投資方法に応じた、初心者におすすめの証券会社を紹介します。
自分がどの投資方法を重視するのかを考えて、それに応じた証券会社を選んでください。
まずはIPO投資におすすめの証券会社から紹介します。
おすすめ1:IPO投資でおすすめはSBI証券
IPOにおすすめ!SBI証券は、ネット証券の中でIPO取扱数がNo.1です。
2018年は、全IPOのおよそ9割を取り扱っていました。
主幹事証券会社になることも、少なくありません。
また、独自のサービスとしてIPOチャレンジポイントというものがあります。
IPOに落選するともらえるポイントで、これが多ければ次回のIPOで当選できる可能性は高くなっていきます。
また、IPO銘柄については独自のレポートも作成しているなど、IPOにとても力を入れています。
次にNISAにおすすめの証券会社を紹介します。
おすすめ2:NISAでおすすめはSBI証券
NISAにおすすめ!証券会社によって、NISAで取引できる商品は異なります。
SBI証券は、国内株式や投資信託だけではなく、外国株式もNISAで取引することができます。
さらに、国内ETF、REIT、ETNや海外ETFも取引可能です。
手数料も、国内株式やETF、REIT、ETN、海外ETFは無料です。
また、NISAからIPOにも参加できます。
次に、配当におすすめの証券会社を紹介します。
おすすめ3:配当でおすすめ楽天証券
配当におすすめ!楽天証券では、配当金を受け取る際に「株式数比例配分方式」を選択することができます。
これは、NISAで配当金を受け取る際に、その配当金を非課税にするために必要となるものです。
具体的には、配当金を証券会社の口座で受け取るという方法です。
これが選べない場合は、銀行口座への入金や郵便局での受け取りとなります。
そうなると、課税対象になってしまうのです。
次に、株主優待におすすめの証券会社を紹介します。
おすすめ4:株主優待でおすすめはGMOクリック証券
株主優待におすすめ!GMOクリック証券は、GMOインターネットグループ各社の株主優待を活用できます。
グループ会社の株主になると、GMOクリック証券の売買手数料などがキャッシュバックされるのです。
これは、他社の証券会社を利用している人にとっては意味がありません。
その代わり、対象となる金額はかなり大きなものです。
対象となるグループ会社は5社あります。
それぞれ、微妙に内容が異なるのでチェックしてみましょう。
最後に、単元未満株におすすめの証券会社を紹介します。
おすすめ5:単元未満株でおすすめはマネックス証券
単元未満株におすすめ!単元未満株のデメリットとして、手数料が割高である点が挙げられます。
しかし、マネックス証券のワン株は、その中でも手数料が最安です。
金額が通常の株式取引よりも少ない単元未満株だからこそ、少しでも手数料を安くしましょう。
ここまで、おすすめの証券会社を紹介しました。
次に、証券会社で口座開設をする際の注意点について説明します。
証券口座を開設する際は、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。
口座開設時の注意点
株取引は証券会社に証券口座を開設しなければ行うことができません。
しかし、証券口座は実は、必ず開設できるとは限らないのです。
ここでは、証券口座を開設する際の注意点について解説します。
筆者の証券会社時代の経験を基にした豆知識なども紹介しますので、口座開設の参考にしてください。
証券口座は必ず開設できるとは限らない
すでに書いたとおり、証券口座は必ず開設できるとは限りません。
例えば、日本国外に居住している人は口座開設できません。
また、証券会社に勤める人も口座開設は不可能です。
ちなみに、証券会社に勤める際に、証券口座を持っていれば解約させられます。
また、どの証券会社もそうですが、反社会的勢力である人の口座開設は不可能です。
このように、証券口座は必ず開設できるとは限りません。
申し込めば必ず口座開設できるわけではなく、できないこともあるということに留意しましょう。
次に、口座開設の申し込み時に必要な身分証明書について説明します。
身分証明書の提出時に気を付けたいこと
証券会社の口座開設には、身分証明書の提出が必要になります。
筆者がいた証券会社もそうですが、顔写真入りの身分証明書は基本的に1枚でOKのケースが多いです。
身分証明書には色々ありますが、「これも身分証明書として使えるの?」と驚くケースもあります。
提出する人は非常に少ないのですが、宅地建物取引士証や小型船舶操縦免許証なども立派な身分証明書です。
とはいえ、何を身分証明書とするかは証券会社により様々です。
また、証券会社のHPに記載されていない身分証明書でも、提出してみたらOKだったというケースもあります。
金融機関は本人確認のチェックがかなり厳しいです。
そのため、銀行が有効としている身分証明書を用意しておけば、証券口座開設時に困ることはないでしょう。
なお、免許証やパスポートなど、住所記載欄などが別途あるものは、そちらも必ず提出してください。
証券会社のHPにも記載されていますが、表面と裏面が必要なものは、必ず両方送る必要があります。
証券会社は、申込時に記載された住所や生年月日などの情報と、身分証明書の記載事項を照合します。
ちなみに、住所、氏名、生年月日は必ず確認します。
パスポートなどは、住所記載のページが別に設けられていますので、そちらを送り忘れる人が多いです。
その場合、身分証明書に不備があったとして送り直しになります。
その分、口座開設までに時間がかかってしまいますので、忘れず提出しましょう。
次に、特定口座について説明します。
特定口座をどうするか考える
証券会社で口座を開設した時に、口座の種類についての選択肢があります。
その際、一般口座と特定口座のどちらかを選びます。
この2種類の口座の違いは、税金の処理をどうするかということに関係します。
特定口座は簡単に確定申告や納税を行える口座です。
そのため、取引記録などを証券会社が発行してくれます。
また、株の利益にかかる税金も、証券会社の方で納税してくれます。
一方、一般口座の場合は、取引記録などを全て自分で用意して、確定申告をします。
また、納税も自分で行わなければなりません。
つまり、特定口座は確定申告の手間がかからず、楽なのです。
そのため、こちらを選ぶ人が多いのではないでしょうか。
なお、特定口座の中でも源泉徴収のあり・なしで2つに分けられます。
源泉徴収ありを選ぶと、利益が出た際に税金分が差し引かれます。
源泉徴収なしの場合は、取引記録は証券会社が作成しますが、確定申告と納税を自分で行う必要があります。
普段、確定申告をしていないのであれば、源泉徴収ありにしてしまった方が、手間がかかりません。
ただし、源泉徴収ありにはデメリットもあります。
投資によって獲得した利益が年間20万円以下の場合、確定申告が不要となるケースがあるのです。
確定申告が不要となるケースは、
- 年収2,000万円以下の会社員
- 給与以外の収入がない
です。
この場合、確定申告は不要です。
つまり、投資による利益にかかる税金は納税不要ということになります。
便利な特定口座ですが、場合によっては、払わなくてもよい税金を支払うことになってしまいます。
そうならないよう、注意しましょう。
コラム:口座開設の審査で落とされるのはなぜ?
証券口座開設の審査に落とされた!という人も少数ながらいるでしょう。
先ほど、「このようなケースは口座開設できない」という事例を挙げました。
しかし、それ以外にも口座開設できないケースがあります。
正直、理由は様々です。
というのも、口座開設の審査基準は証券会社によって違うからです。
ちなみに、筆者がいた証券会社は、審査基準が厳しい方であったと思います。
例えば、どんな資金を投資に使うのか、ということも重視していました。
このあたりは証券会社の方針によりけりですので、何とも言えません。
ですが、やはり投資は余剰資金で行うべきなのです。
ちなみに、「他の証券会社では口座開設できたのに何で?」という問い合わせが来たこともありました。
ですが、理由を聞いても証券会社は絶対に理由は教えませんので、聞くだけ無駄です。
反社会的勢力などの場合はどの会社でも口座開設できませんが、そうでなければあきらめる必要はありません。
気持ちを切り替えて、他の証券会社で口座開設の申し込みをしましょう。
コラム:消しておいてくれると嬉しい身分証の「機微情報」
身分証明書には本籍地などが記載されているものがあります。
この本籍地などの情報を載せたまま保存することはできません。
そのため、証券会社ではこのような情報は機微情報として扱い、塗りつぶしたり、削除したりして保存します。
なお、臓器提供の意思表示や、政治や信教の情報を含む事業者名称も機微情報に該当します。
もちろん、消さずに提出しても問題はありません。
ですが、決しておいてもらえると嬉しい、というのが元・証券会社社員としての個人的な意見です。
まとめ
株式投資を始めるにあたって、覚えておきたい知識や注意点、投資の種類などを解説してきました。
これを読んで、株を始める自信が付いたかと思います。
株の投資は、一つの方法だけではありません。
デイトレードが目立ちますが、それにはほとんどの時間を株式投資に費やすこととなります。
自分が株式投資にどのくらいの時間を使うのか、考えてみましょう。
また、どのくらいの資産を使って、求める利益はどのくらいか、計画を立ててみてください。
株はなんとなく買っても始めることはできますが、成功するにはやはり計画を立てておくことが大切です。
これまでの解説内容を参考に、まずは計画を考えるところから始めてみましょう。