株を始める方は
「株の勉強ってどうやったらいいの?」
「挫折せずに高い知識を得るためには何がおすすめ?」
と気になりませんか?
筆者はファンド業務で日々、数億円単位の株取引をしています。
ただもちろん最初は初心者です。
知識がなかったため業務で覚えるのはもちろん、色々な本やサイトを見て学んだものです。
結局のところ、実戦に勝る勉強はないのですが、いきなりそれを行うのは危険です。
なぜなら、高い確率で元手を失くすからです。
そうならないためにも事前の勉強は必要なのですが、その方法は工夫した方が良いでしょう。
今回、この記事では、株の勉強法について説明します。
ただの机上の空論ではなく、実戦に活かせる勉強法を説明します。
「株取引で成功させたい!」と考えている人は必ず一読しましょう。
Contents
株の勉強はステップを分けよう
株の勉強は、ステップを分けて始めるのが得策です。
そのステップとは
- 株に関する全般的な知識を得る
- 株で利益を出せるようになる
の2つです。
早く上達したいからと、いきなり専門的なことを勉強しようとすると消化不良を起こします。
そうならないためにも、株の勉強は、段階を踏んで行うのが大切です。
それではそれぞれのステップについて説明します。
STEP1:株に関する全般的な知識を得る。
まずは、株に関しての全般的な知識を得るところから始めましょう。
全般的な知識とは、株とはどういうものか、株はどんな仕組みなのかなどの基本的な事柄です。
この基本の部分を知らないで取引を始めると、利益が出た場合も損失が出た場合も対応できません。
利益が出ても理由を理解できず、同じようなトレードを行うのが難しくなります。
損失が出た場合も原因が分からず、改善点はわからないままです。
そうならないようにするため、まずは基礎となる全般的な知識を得るところから始めるのです。
全体的な知識が身に付いたと思ったら、次のステップに移ります。
とはいえ、時には基本に立ち返ってみるのもおすすめです。
知っているつもりであっても、改めて確認してみると意外に重要な点が抜けていることもあります。
復習の意味も兼ねて、たまに基本を見直してみると良いでしょう。
STEP2:株で利益を出せるようになる。
株式投資では、誰もが株で利益を出せるようになりたいと思っています。
全般的な知識を得た後は、株で利益を出すために必要な知識を学んでいきましょう。
一足飛びに、株で利益を出す方法を学びたいと考える人も多いでしょう。
しかし、全般的な知識を学ばずにいきなり利益を出す方法を学んでも、応用が利かなくなります。
基本から順番に学ぶようにしましょう。
ここまで、株の勉強のステップについて説明しました。
株の勉強のSTEP2は株で利益を出せるようになることですが、そのための勉強法にはいくつかの種類があります。
次に、そのことについて説明します。
株で利益を出すための5つの勉強方法の種類と特徴
株の勉強方法には、いくつかの種類があります。
その勉強方法とおすすめ度を、表にしてまとめてみました。
それぞれの勉強方法の特徴などを含めて、確認してみましょう。
スクールに通う | ★★★★☆ | 株の専門家から、実践的な知識を学ぶことができます。少人数制のスクールであれば、個別のアドバイスを受けることも可能です。しかし、定期的に開催されるので時間的制約が厳しく、また開催される地域も限られています。会場ではなく、ネット上で講義が行われるスクールもあります。 |
セミナーに参加する | ★★★★☆ | スクールに近いものですが、何らかのテーマを掲げて講演が行われるのが、セミナーです。基本的なことを学ぶ場合や、講師の考えを知るためには有効な手段でしょう。人気のあるセミナーは、参加に際して抽選となることもあります。 |
アプリを利用する | ★★★★★ | 株式投資の知識を、クイズ形式などで学ぶことができるアプリや、シミュレーションアプリなどがあります。株に必要な知識をゲーム感覚で学ぶことができ、実際の投資の練習にもなります。株の勉強アプリには、初心者向けや上級者向けもあり、シミュレーションアプリは実際の株価を反映します。ちょっと時間が空いた時でも、気軽に始めることができるのが利点です。 |
プチ株を利用する | ★★★★☆ | 株についての勉強は、ただ知識として詰め込んでも実感がないので、理解が難しいことがあります。プチ株を利用すると、ごく少額の資金で1株単位の投資ができます。そのため、投資を実践しながらわからないことを改めて調べることもできるのです。つまり、必要な知識を選んで学ぶことができます。最小限の勉強で、株式投資を早く始めたい場合はおすすめの方法です。 |
このように、株で利益を出すためには5つの勉強方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
そのことを踏まえた上で、自分に合ったものをやってみましょう。
それでは次に、株で利益を出すための5つの勉強方法について、それぞれ説明します。
取引手法が書かれた本やサイトを読む
取引手法が書かれた本やサイトを読む方法は、勉強方法としては非常にオーソドックスなものです。
多くのトレーダーがこの勉強方法を行っています。
この方法にはどのようなメリットやデメリットがあるのか、説明します。
メリット
本やサイトで勉強する株の取引手法について書かれている本やサイトは、色々とあります。
その中で、自分が何を学びたいのか、何を知りたいのかを自由に選ぶことができる点がメリットです。
自分のペースで、自由に学んでいくことができます。
デメリット
株の本やサイトの中には、内容が正しくないものも時々混じっています。
また、取引手法が掲載されているものも多くありますが、実際の相場にそぐわないものもあります。
中には、一昔前に流行った手法が掲載されているケースも見かけます。
その手法が今でも有効ならば問題ありません。
ですが、相場は常に変化しているため、通用しないことも多いのが問題です。
このように古い情報が掲載されてしまうのは、本の場合は仕方ありません。
出版された時の最新情報が、時間の経過と共に古くなってしまうからです。
ですが、サイトの場合は情報を更新しようと思えばできるため、内容が古いままのものは信用できません。
何らかの事情で更新をやめ、情報がアップデートされずに放置されてしまっているのです。
サイトの情報が新しいかどうかは、初心者には見抜くのは難しいかもしれません。
本に関しては、できるだけ出版日の新しいものを選ぶことで古い情報を排除することができます。
ただ、出版日が古いものでも、現在でも通用するような内容が掲載されている本もあります。
「出版日が古いから」といって、今でも通じる内容が書かれている本を除外するのはもったいないです。
そのため、本に関しては、レビューを見た上で判断することをおすすめします。
おすすめの本・サイト・動画
株の勉強をする上で、本やサイト、動画を参考にするのも有効です。
ただし、本に関しては、出版から時間が経ったために内容が古くなっているものもあります。
また、サイトや動画は、信ぴょう性に欠けるものがあるのも事実です。
そこでここでは、筆者がおすすめする本やサイト、動画を紹介します。
株の取引が仕事である筆者の目線で、初心者にも参考になるものをピックアップしています。
めちゃくちゃ売れてる株の雑誌Zaiが作った「株」入門 ダイヤモンド・ザイ編集部 著
株やFXの投資情報を雑誌やインターネットで発信する「ZAi」による株の基本書です。
初心者向けに基本に重点を置いています。
ですが、中上級者向けの内容を学ぶ際に必要となる知識を厳選しているのが特徴です。
同じシリーズの上級編に移行した際に、無理なく理解できるよう配慮した作りになっています。
株式投資の基礎となるファンダメンタルズ分析の基本がしっかり解説されている点も、おすすめです。
株式投資を行う際に、必ず読んでおきたい一冊であると言えます。
個人投資家のための 銘柄選びに差がつく決算書の読み方 植松 亮 著
株式投資で避けて通れない決算書の読み方を基本から説明した良書です。
個別銘柄に投資する際は、まずはこの本を読んで財務諸表の基本をマスターしましょう。
実際の決算書の事例とそれを受けた株価の動きも併せて解説しているのが特徴です。
ファンダメンタルズ分析を行う上で、必要となる知識が身に付けられます。
36年連戦連勝 伝説の株職人が教える!株チャート図鑑 相場 師朗 著
ラジオNIKKEIでも解説する相場師朗氏によるチャート解説の本です。
株価チャートに関する本は多いですが、こちらは氏ならではのオリジナルのシグナルを掲載しているのが特徴。
実際の相場での成功体験を基に、どのような活用をすると有効か、ということが書かれていて、実戦的です。
相場師朗氏ならではのユニークなネーミングのシグナルが多数掲載されていて、読んでいて楽しい一冊です。
パンローリングの「チャートギャラリー」
パンローリングといえば、投資専門書の出版社として有名です。
その同社のロングセラーであるチャートギャラリーには、膨大な株価チャートのデータが保存されています。
ただし、有料コンテンツなので、それなりのコストがかかることが難点です。
ちなみに、国内株を取引するのであれば、「チャートギャラリー・スタンダード」で問題ありません。
こちらで、過去30年分の東証株式をはじめとした様々な銘柄のチャートを見ることができます。
テクニカル分析に重点を置きたい、テクニカル分析のスキルを磨きたいという人におすすめです。
トレダビ
「株を取引したい!でも、いきなりは、ちょっと…」という人におすすめなのが「トレダビ」です。
株の初心者から上級者まで65万人もの利用者がいるバーチャル株式投資ゲームです。
実在する上場企業の実際の株価を使用しているので、バーチャルとはいえ、リアリティのある取引ができます。
無料で利用できますので、実際の取引に移る前の練習としてトレードしてみてはいかがでしょうか。
auカブコム証券 カブコム公式チャンネル
カブドットコム証券が運営するYouTubeの公式チャンネルです。
株式投資に関する様々な動画を観ることができます。
また、同社が主催したセミナーの動画も掲載されています。
基本を学ぶというよりも、実際の投資を始めた際に、戦略を立てるのに役立ちます。
株式市場でどのような材料が注目されているのかを知るのにも、良いのではないでしょうか。
ここまで取引手法が書かれた本やサイトを読む方法のメリット・デメリットを説明しました。
それでは次に、取引手法について教えてくれるスクールに通う方法について説明します。
取引手法について教えてくれるスクールに通う
取引手法について、教えているスクールもあります。
スクールにもメリットやデメリットがあるのですが、それはどのような点でしょうか?
メリット
取引手法を教えるスクールの講師は、その多くが投資家です。
スクールでは、講師がこれまで実践して成功した取引手法を教えてもらうことができるのです。
「こうやると勝てるはず」という内容よりも、「こうやって勝った」という話の方が勉強になるのは確かでしょう。
また、少人数制のスクールであれば、講師に直接質問や相談をすることができます。
自分のトレード履歴を見て、ここをこうするべきだった、というアドバイスを受けられるのです。
投資に対する考え方も、大きく変わるでしょう。
デメリット
スクールは、どこでも開いているわけではありません。
基本的には大きな都市に限定されるので、近くにないこともあるでしょう。
ただし、オンラインで講義を行うスクールもあります。
決まった日時に複数回行われるため、時間的な拘束が生じる点もデメリットでしょう。
時には、用事があって参加できないこともあり得ます。
また、教室の場所によっては、通い続けることが負担となる可能性もあるでしょう。
授業の時間は、自分が参加できる時間かどうかをきっちり確認する必要があるでしょう。
ちなみに、スクールはそれなりに高い授業料がかかります。
数十万円かかることも珍しくはありません。
株を始めたばかりの人にとっては、投資資金を減らすことにもなり、大きな負担となるかもしれません。
おすすめのスクール
お金のジム
こちら2020年2月末日にサービス終了となりました。
受講者のレッスン満足度が91%と、高い評価を受けているスクールです。
動画での授業になるのですが、それと合わせて専用のテキストも付いてきます。
動画では説明が不足する部分を、テキストで補っています。
トレーナーは、金融業界で活躍している一流アナリストです。
実際の銘柄を教材にして、実際に何が起こったのかを中心に開設を進めていきます。
動画の時間は、受講者の都合に合わせて3分と10分の2パターンが用意されています。
お金のジムでは、受講生のうち、7割が3か月以内に運用実績がプラスになったという実績を誇っています。
また、授業に使われている動画は、フィスコ社のアナリスト養成講座でも教材に採用されているのです。
受講料も投資スクールの中ではかなり安く、無料体験レッスンも用意されています。
まずは、気軽に無料体験レッスンを受講してみてはいかがでしょう。
ここまで取引手法について教えてくれるスクールに通う方法について説明しました。
次に、証券会社主催のセミナーに参加する方法を説明します。
証券会社主催のセミナーに参加する
証券会社では、セミナーを主催することもあります。
基本的には、その証券会社に口座を保有している人が対象です。
しかし、中には口座を保有していない人でも参加できるものもあります。
このセミナーに参加するメリット・デメリットについて考えてみましょう。
メリット
セミナーの講師は、株式投資で実績を持つ投資家や証券会社のアナリストです。
自分たちが投資をする上で得た、ノウハウなどをセミナーでは教えています。
自力で勉強しようとすると、玉石混合の知識の中から有用なものを探さなくてはいけません。
しかし、セミナーで学べる知識はすでに選ばれたうえ、磨き上げられている知識であることがメリットです。
さらに、セミナーでは最新の情報を基に解説をしていきます。
それはつまり、翌日からでも役に立つような知識を得ることができるということです。
また、質疑応答のコーナーが用意されているケースもよく見られます。
直接、講師にわからないことを聞くことができるかもしれません。
デメリット
セミナーは、ある程度の人数を対象に行われます。
そのため、自分のペースで進めることはできません。
理解できないポイントがあっても、それを理解するまで待ってもらうことができないのです。
また、セミナーの会場は主に大都市が中心となります。
中には地方で開催するものもありますが、数は少ないです。
住んでいる場所によっては、参加するのが難しいかもしれません。
人が集まりやすい所で開催されるので、どうしても大きな都市で行われやすいのです。
人気のあるセミナーの場合、参加を希望する人も多くなります。
その場合は、抽選で参加できるかどうか決まるでしょう。
希望しているからといって、参加できるとは限りません。
また、セミナーには、無料と有料のものがあるので、その点もチェックが必要です。
おすすめのセミナー
楽天証券 会場型セミナー
楽天証券のセミナーは、楽天証券に口座を開設していることが参加条件です。
全国様々な都市で開催されるのですが、それ以外にオンラインで開催されることもあります。
また、開催後に動画で配信されるものもあるので、参加できなくても後日セミナーを聞くことができます。
楽天証券のセミナーは、月5~6回のペースで定期的に開催されています。
楽天証券に口座を開設したら、一度参加を希望してみましょう。
また、楽天証券では、トウシルという投資情報サイトも提供しています。
このサイトでは、株やFX、商品先物など、様々なテーマに沿った解説を動画で配信しています。
最近の市場の動向分析から、なぜトロフィーが金色かなど、多岐にわたるテーマがあります。
これらの動画を見るだけでも、かなり勉強になるでしょう。
ここまで証券会社主催のセミナーに参加する方法について説明しました。
次に、アプリを利用する方法について説明します。
ゲーム感覚でできるアプリを利用する
株について学べるアプリは、ゲーム感覚で利用することができます。
勉強と思うと気が重くなりやる気が起きない、という人もいるかもしれません。
ですが、ゲームだと思えばかなり気が楽です。
気が向いたときに少しずつ進めていくことができるでしょう。
それでは早速、アプリを利用した株の勉強について、そのメリットとデメリットを紹介します。
メリット
アプリを使って行うため、スマートフォンなどを利用し、自分のペースで気軽に学んでいくことができます。
様々な種類があり、使ってみて合わないと思った場合はまた違うアプリに変更することも可能です。
株を学ぶことができるアプリには、主に2種類あります。
株の知識を学べるアプリと、投資をシミュレーションするアプリです。
株に関する知識を学べるアプリは、クイズアプリのような感覚で使えるものがあります。
もしくは、教科書代わりになるものもあります。
複数のアプリを併用して使ってもいいでしょう。
シミュレーションアプリの多くは、本当の株価をわずかな遅れで反映しています。
そのため、実際の取引に近い感覚でできるのがメリットです。
実際に投資していたらどんな結果になるか、試してみることもできます。
また、運用実績を記録することができます。
運用とはいってもバーチャルでの話なので実際に資産が増えるわけではありません。
ですが、資産運用の勉強になります。
他にも、取引実績をランキング表示できるものもあります。
「他の人と競ってスキルを伸ばしたい」という人は、そこで1位を目指してみるのも、楽しいかもしれません。
デメリット
アプリのデメリットは、やはり実際の取引ではないために、緊張感が生まれない点です。
本来であればやらないような、適当な投資をしてしまいがちです。
本物だと思ってやらなければ、あまり勉強になりません。
真剣に取り組める人でなければ向いていないと言えるでしょう。
また、実際に取引しているわけではないため、取引を怠ってしまうケースも考えられます。
本当のお金ではないので、増えようと減ろうと、懐が痛むことはありません。
これが長所でもあり、短所でもあると言えるでしょう。
また、初期資産が多すぎるアプリが多い、という点もデメリットです。
いきなり1,000万円を持って投資を始められる人はそう多くありません。
その状態に慣れて投資を始めると、初期の資産が少ないことに不自由を覚えるかもしれません。
コラム:バーチャルトレードの注意点
株の場合はアプリ、FXの場合はFX会社が用意したシステムで、バーチャルトレードが行えます。
このようなバーチャルトレードは実際の取引を行う前の練習として非常に便利です。
ですが、一つ注意して欲しい点があります。
それは、実際の取引とは感覚的に違う、ということです。
筆者はかつて証券会社に勤務していました。
その会社ではバーチャルトレードを用意していて、多くの人が使っていました。
ある日、問い合わせをしてきたお客様がこんなことを言ったのです。
それは、「バーチャルトレードでは勝てたのに、実際の取引になった途端、勝てなくなった」ということ。
このお客様だけでなく、他のお客様からも同じような話を聞いたのです。
あれから何年も経ち、筆者は現在、株の運用を仕事で行っています。
そして、仕事で様々な投資家の人からお話を伺う機会があるのですが、そこでも同じ話を聞きました。
「バーチャルトレードだと儲かったのに、実際の取引だと全然ダメ」という人は、どうやら多いようです。
バーチャルトレードだと利益が出たのに、実際の取引になった途端に損してしまうのは何故でしょうか?
理由は簡単です。
バーチャルトレードは、身銭を切っていないからこそ勝てる、ということです。
専業トレーダーとして成功している人は、「投資ではメンタル面も非常に重要だ」と口を揃えて言います。
どうやら、メンタルの部分が日々のトレードに与える影響は想像以上であるようです。
それとバーチャルトレードとどういう関係があるのかというと、先ほど書いた身銭の部分です。
バーチャルトレードの場合、仮想資金を基に取引を行います。
自分のお金ではないため、「失敗してもいいや」という気持ちで取引できるわけです。
つまり、気持ちに余裕ができます。
そのため、相場に対する判断を冷静に下すことができるのです。
ですが、これが自己資金となるとどうでしょうか?
そのお金は働いてコツコツと貯めたお金です。
それを実際のトレードに使い、増えたり減ったりするのを目にした途端、冷静な判断ができなくなります。
「損した〇万円で旅行に行けた」「あと〇万円儲かれば、欲しいものが買える」などと考えてしまうでしょう。
そういう雑念が入ることで、冷静な判断が下せなくなってしまうのです。
もちろん、全員がそうなるわけではないでしょう。
ですが、冷静な判断が下せなくなる人が圧倒的に多いのも事実です。
実際のトレードでは、自己資金の増減を目にした時に、冷静な判断を下せるような精神力が必要になります。
こればかりは、バーチャルトレードでは訓練することができません。
そのため、バーチャルトレードでは好成績でも、実際のトレードではさっぱり…ということが起きるのです。
このことから、筆者はバーチャルトレードが投資スキルの上達に役立つか、という点で疑問を抱いています。
ただ、バーチャルトレードが役に立つ部分もあります。
例えば、様々なチャートを見たりして、チャートの形のパターンを掴むのに役立つでしょう。
また、指値注文など様々な注文方法を発注する練習にもなります。
さらに、新しい投資手法を見つけた時に、有効かどうかを試すのにも良いのではないでしょうか。
そのため、バーチャルトレードが役に立たないとは思いません。
ですが、実際に身銭を切って取引するのとは感覚的に違うのだ、ということは念頭に置いた方が良いでしょう。
バーチャルトレードは、実際の取引とは違うとはいっても、役に立つ部分もあります。
それを踏まえた上で、筆者がおすすめするアプリを紹介します。
おすすめのアプリ
iトレ2 バーチャル株取引ゲーム
本格的なバーチャルトレードが体験できるゲームアプリです。
取引方法も、現物取引以外に信用取引を選べます。
また、投資信託やバイナリーオプションを取引することも可能です。
本番さながらに練習できる本格派のゲームアプリであると言えるでしょう。
また、投資シミュレーションアプリには時間がかかるものが多いのですが、これは1週間で1年分進みます。
取引時間に関係なく株取引ができるので、結果を素早く知ることができるのがメリットです。
短期投資と長期投資の違いについても、学ぶことができるでしょう。
さらに、チャット機能によって、全国のユーザーと情報交換をする事も可能です。
また、投資信託を自分で立ち上げることもできるなど、投資以外の楽しみ方もあります。
楽しみながら株を学べるアプリとして、現在注目されています。
ここまで、アプリを利用する方法について説明しました。
それでは最後に、プチ株などの単元未満株を取引する方法を説明します。
プチ株などの単元未満株を取引する
株は、基本的に取引できる数量が100株単位と決まっています。
しかし、一部の証券会社では、単元未満株として1株単位で取引できるサービスを提供しています。
このサービスを利用して取引することで、実際の取引の勉強にもなります。
そのメリットと、デメリットについて考えてみましょう。
メリット
単元未満株は、本来の株式投資の100分の1となる、1株単位での取引が可能です。
そのため、必要な資金も本来の100分の1でいい、ということになります。
しかし、たとえ金額が少なくても、本当のお金を使って行われるものです。
シミュレーションなどとは違って、緊張感を持った取引ができるでしょう。
もちろん、利益が出た場合はそれもきちんと受け取ることができます。
また、株式投資では株価の変動だけが利益になるのではありません。
配当や、株主優待なども立派な株式投資の目的です。
配当については、保有している株数に応じて受け取ることができます。
株主優待は、保有している株数によって受け取れるかどうかの条件があります。
しかし、中には1株からでも優待を受けられる銘柄もあるのです。
単元未満株は、限りなく本来の株式投資に近いものです。
単価が安いだけで、本当に投資しています。
トレードの実践を行いながら勉強したことを確かめたい人には、ぴったりです。
デメリット
単元未満株は本物の株を取引するものですが、その取引はリアルタイムでは行われません。
前場、あるいは後場のそれぞれ最初の売買でのみ、取引が成立します。
そのため、株価が上がったタイミングで売るようなことはできません。
つまり、デイトレードをしたい人には向かないのです。
また、注文方法として指値などは選べず、成行注文のみとなります。
その点は、本来の株取引と大きく異なります。
さらに、単元未満株の取引手数料は、通常のものよりも割高です。
金額的には、それほど高いものではありません。
しかし、取引する単価が安いので相対的に高くなってしまうのです。
単元未満株を扱っている証券会社は、限られています。
単元未満株を取引するには、そのいずれかに口座を開設しなくてはなりません。
証券会社の選択肢が狭い点もデメリットでしょう。
なお、デメリットについては、後でもっと詳しく説明します。
単元未満株を取引できる証券会社
単元未満株を取引できるのは、ネット証券会社の一部だけです。
その中でも代表的な3社と、それぞれの特徴について、解説します。
SBI証券の「S株」
ネット証券会社の中でも、口座開設数No.1 であるSBI証券の単元未満株は、「S株」といいます。
取引が行われるのは、前場と後場それぞれの開始時です。
注文する時間が10:30~21:30の間であれば、その注文分は翌営業日の前場始値で受け付けます。
21:30~翌営業日10:30の間は、翌営業日の後場始値での受付となります。
取引手数料は約定金額の0.5%で、最低50円からとなっています。
つまり約定金額が1万円までであれば手数料は50円です。
しかし、それ以上は0.5%ということになります。
また、SBI証券ではS株専用のスマートフォン用証券会社として、SBIネオモバイル証券というサービスも開始しています。
手数料などは多少異なりますが、こちらで取引することも可能です。
マネックス証券の「ワン株」
マネックス証券では、「ワン株」という単元未満株サービスを提供しています。
ワン株は、専用のページから注文することができます。
そのページも分かりやすく、操作もしやすいのが特徴です。
しかし、それとは別に普通の注文と同じ方法でも注文できます。
現物買いなどの選択時に、ワン株という選択も可能なのです。
ワン株の取引手数料は、約定金額の0.5%で、最低48円です。
この価格は、ネット証券の中でも最安水準です。
ワン株は、後場の始値でのみ受け付けます。
- 17:00~0:00までの注文は翌営業日の後場に約定され、0:00~11:30までの注文は当日の後場始値で約定されます。
- 11:30~17:00の間は注文受付が停止されています。
auカブコムの「プチ株」
auカブコムでは「プチ株」という単元未満株の取引サービスを提供しています。
プチ株の特徴は、月々500円からの積立投資が可能、という点です。
少しずつ積み立てて、いずれ100株を貯める、という楽しみもあります。
積立は、自動引落で行われるので手間もかかりません。
プチ株の手数料は、約定代金の0.5%です。
また、最低手数料は48円なので、こちらも業界最安水準の手数料となっています。
- 0:01~10:00までの注文は、当日後場の始値で約定されます。
- 10:01~23:00までであれば、翌営業日前場の始値です。
- 23:01~24:00の注文は、翌営業日の後場始値での約定です。
単元未満株を取引する場合は注意が必要!
単元未満株は便利なように思えますが、実際に利用する際は注意が必要です。
注意する点としては、
- 手数料が割高
- 注文方法は成行のみ
- 取引できない銘柄もある
- 大きな利益は期待できない
という点があります。
それぞれ、具体的に解説していきます。
手数料が割高
単元未満株の手数料は最低48円というのが最安水準です。
一方、通常の株式投資の手数料は、50円が最安水準です。
一見すると安いように思えるかもしれませんが、取引する数量が100分の1という点を考えると、かなり割高になるのです。
また、約定金額で計算しても単元未満株の最安手数料は1万円前後までの場合です。
通常の株式投資であれば、10万円までというのが一般的なので、その点でも10倍の違いがあるのです。
注文方法は成行のみ
単元未満株は、取引できるタイミングが非常に限定的です。
そのため、指値での取引はできません。
注文した時間によって約定のタイミングは分かれますが、約定金額は始値に限定されます。
一見するとあまりデメリットに思えないかもしれません。
ですが、始値が高騰した場合はどうでしょうか?
そうなると、想定外に高い金額で約定してしまいます。
このことも、単元未満株のデメリットです。
取引できない銘柄もある
証券会社によっては、一部の銘柄は単元未満株で取引することができません。
例えば、SBI証券のS株であれば、東京証券取引所の各市場は売買ともに可能です。
しかし、名古屋や福岡、札幌の各証券取引所の上場銘柄に関しては、売却のみ可能となっています。
どんな銘柄でも必ず買えるとは思わず、買えるかどうか予めチェックしましょう。
大きな利益は期待できない
単元未満株は取引するのが1株単位なので、利益についても、その数量に応じた分になります。
そのうえ、手数料が割高となるためになかなか利益を得ることができません。
例えば、1,000円の株を1株買ったとして、手数料が48円だとするとどうでしょうか。
この場合、手数料が購入時と売却時にそれぞれかかります。
そのため、48円×2=96円の手数料がかかる計算になるのです。
つまり、その株が1,096円を超えて、ようやく利益が得られるようになります。
これが通常の1単元(100株)の取引だと、どうなるか考えてみましょう。
ここでは、最安水準の50円の手数料がかかると仮定します。
そうすると、購入時と売却時にかかる手数料は50円×2=100円です。
そして、1,000円の株を100株買うので、1,000×100=10万円の資金がかかります。
つまり、資金が100,100円を超えた時に初めて利益が生まれるわけです。
ということは、1,000の株が1,001円を超えれば利益が出る計算になります。
単元未満株に比べると、利益が出るまでのハードルが低いことが分かります。
単元未満株は長期投資の勉強として考えるべき!
単元未満株は少ない資金で実際の取引を体験できることが大きなメリットです。
反面、デメリットは結構大きいです。
筆者も単元未満株を取引したことがありますが、融通が利かないという印象を持ちました。
リアルタイムでのトレードができませんので、長期投資向きです。
ほったらかしておいて、気づいた時に何倍にもなっているような銘柄を取引するのに向いています。
実際に、筆者はそれで株価が買った時の3倍くらいになりました。
その経験を踏まえた上で言えるのは、単元未満株は、長期投資の練習と割り切った方が良いということです。
いずれは単元未満株から通常の投資へと移行することを前提に考えると良いでしょう。
まとめ
株については、多くの本やサイトがあるため独学でも可能です。
また、全く勉強しなくても株式投資を始めることはできます。
しかし、株式投資ができるかどうかと、勝てるかどうかは別の話です。
勝つために株式投資をするには、必要な知識をきちんと覚えておかなくてはいけません。
そのためには、どのような知識をどうやって得るべきかをよく考えましょう。
株式投資を勉強するには、様々な方法があります。
自分に合った方法を選んで、きちんと勉強してから投資を本格的に始めていきましょう。