「IPOは勝率が高い」という評判から
「IPOの勝率はどれくらい?」
「失敗するときはどんな理由で失敗するの?回避できるの?」
と気になりませんか?
筆者は普段から数億円のトレードをしています。
その経験からお伝えするとIPOは勝率がもちろん高いですが、100%ではありません。
年によっては勝率がふるわないこともあります。
このことを知らずにIPOに挑戦しても期待外れの結果に終わる可能性があるのです。
そこで、この記事ではIPOの勝率がどのくらいなのか、またなぜIPOは勝てるのか、ということを解説していきます。
この記事を読むことで、IPOは当選までの苦労に見合うだけの見返りがあるのか、ということがわかります。
さらに落選が続いても、いつか当選するまでのモチベーションにもなるでしょう。
この記事を読んで、IPOの魅力を正しく知りましょう。
それでは早速、「IPOの勝率がどれくらいなのか」ということから説明します。
Contents
IPOの勝率はどれくらい?
IPOの勝率は具体的にどれくらいなのか気になる人は多いのではないでしょうか。
このことについて説明する前に、まずは「IPOの勝率とは何なのか」ということから説明します。
IPOでは、いったい何をもって勝ち負けを定義しているのか、このことから説明します。
IPOの勝率の定義は「初値>公募価格」
IPOでいう勝率とは、初値が公募価格を上回った割合のことを指しています。
これがどういうことか説明します。
例えば、ある年のIPOの件数が100件だとします。
そして、そのうち70件のIPOが「初値>公募価格」になったとすると、
「70件÷100件×100=70%」
となり、つまり、70%がこの年のIPOの勝率となります。
IPOについて調べていると、「20XX年のIPOの勝率は◯◯%」などという記事を目にすることがあるかもしれません。
その時は、「これは、初値>公募価格となった割合のことを言っているのだ」と理解しましょう。
さて、IPOの勝率の定義を理解したところで、次にIPOの勝率についてみてみましょう。
IPOの実際の勝率はどれくらいなのでしょうか?
IPOの勝率はどれくらい?
過去5年間のIPOの結果から、IPOの勝率がどのくらいなのかを確認してみましょう。
2015年から2019年に開催された、IPOの初値の結果を表にまとめてみました。
ちなみに、この件数には機関投資家向け市場の、Tokyo ProMarket上場銘柄は含まれていません。
IPO勝率 | IPO件数 | 初値>公募価格 | |
---|---|---|---|
2019年 | 87.2% | 86社 | 75社 |
2018年 | 88.9% | 90社 | 80社 |
2017年 | 91.1% | 90社 | 82社 |
2016年 | 80.7% | 83社 | 67社 |
2015年 | 89.1% | 92社 | 82社 |
このように、直近5年のIPOの結果を見ると、勝率は80%以上です。
中には、90%を超えている年もあるほどです。
株式投資に限らず、他の投資商品においてもこれほど勝率が高いものはそうそうありません。
そのため、IPOは投資家からの人気が高いのです。
このように、IPOの勝率は少なくとも直近5年間については高いことは間違いありません。
でも、この表に載っていない、それ以外の年はどうだったのでしょうか。
次にこのことを説明します。
IPOの勝率はその時の景気動向も影響する
IPOの勝率は以前から高い傾向にあるのですが、特に直近の5年間は勝率が高い年が続いています。
なぜかというと、その理由はアベノミクスがあったからです。
現政権になってから円高が是正され、日経平均株価も1万円割れだったのが、2万円台まで回復しました。
そうして景気が回復傾向となったので、リスク商品である株式投資に資金が集まったのです。
そのため、IPOの人気も高まり、新規上場する企業の株を求める投資家が増えました。
ただし、IPOの勝率が低かった年もあります。
その原因となるのは、主に経済危機です。
2000年以降に限っていえば、リーマンショックとギリシャショックが起きています。
リーマンショックは2008年の出来事です。
その年のIPOは、49社が新規上場したのですが、初値が公募価格を上回ったのはそのうちの20社だけでした。
結果、勝率は40.8%にとどまっています。
ギリシャショックは2010年の出来事です。
この年に上場した企業はわずか22社しかありませんでした。
そして、初値が公募価格を上回ったのはそのうちの10社にとどまりました。
つまり、勝率は45.4%です。
どちらも勝率が50%以下ということで、半数以上が負け、あるいは引き分けになったのです。
「勝率が低いのは過去のことだから」とはいっていられません。
今年、2020年はコロナショックが発生しています。
特に、コロナショックが表面化した3月からのIPOを見ると、24件中18件が公募価格割れしています。
初値が公募価格を上回ったのは、わずか6件だけなのです。
コロナショックは世界恐慌と同等、あるいはそれ以上ともいわれています。
その中で上場するのをためらい、上場を延期する企業も増えています。
今年のIPOに関しては、今後の経済動向がどうなるかに注視しなければなりません。
この先、コロナショックが収束した頃には、IPOも再び人気が盛り返すでしょう。
さて、IPOの勝率とは何か、ということや実際の勝率を解説しました。
ここまで読んで、「IPOはどうして勝率が高いの?」と不思議に思う人もいるのではないでしょうか。
そこで次に、IPOの勝率が高い理由を説明します。
IPOの勝率が高い理由
IPO株の勝率が高い理由は3つあります。
それは、
- IPO株を買いたい投資家が多い。
- IPO株が元々ディスカウントされている。
- 企業の成長性に期待できる。
です。
それぞれについて説明します。
理由1:IPO株を買いたい投資家が多い。
IPO株は、かなりの投資家が買いたいと思っています。
なぜかというと、先述したように通常の株式投資や他の投資商品と比べて勝率がかなり高いからです。
さらに、基本的な投資スタイルも公募価格で買って初値で売る、というだけなのでシンプルです。
そのため、初心者にも人気があります。
また、初心者だけでなく、酸いも甘いもかみ分けたベテラン投資家にも勝率の高さから人気があるのです。
人気があるということは、買い手が多いということです。
買い手が多い株は、株価が上がりやすくなります。
つまり、IPOの参加者が多くなればなるほど、株価は上昇しやすくなるのです。
このことが、IPOの勝率が高い理由として挙げられます。
理由2:IPO株が元々ディスカウントされている。
IPO株というのは、元々ディスカウントされた価格で売られています。
そのため、市場価格になるだけで利益が出るのです。
このことについて説明します。
株には定価がないので、一見するとIPOの公募価格が定価に思えるかもしれません。
しかし、実は公募価格というのは定価ではありません。
公募価格は「市場で取引する時は、このくらいの株価になるだろう」という価格から割り引かれたものです。
基本的には想定される市場価格から10%~30%ほど割り引いた価格を公募価格にしています。
なぜ、公募価格は想定される市場価格から割り引いているのでしょうか?
すでに上場している企業の場合、株価の基準になる情報は豊富です。
財務状況などの情報が、過去から最新のものに至るまで、長年にわたって開示されています。
しかし、IPO株は上場株に比べると、このような情報が極めて少ないです。
つまり、投資する上で判断材料となる情報が少なく、投資対象としてのリスクは高くなります。
不確定要素が多くなるため、公募価格は想定される市場価格からディスカウントされて販売されるのです。
また、幹事証券会社としても、IPO株をきちんと売り切らなければならないという事情があります。
それもあって、どうにか売り切ることができるように、多少割引にして安売りしているのです。
これらの理由から、IPOでは本来市場で取引されると予想した価格よりも安い価格で株を販売します。
そのため、上場後は値上がりしやすくなるのです。
理由3:企業の成長性に期待できる。
IPOによって、企業は事業を拡大することができるため、将来の成長性に期待できます。
なぜなら、企業が株式を上場(公開)する最大の目的が、資金調達だからです。
企業は、株式を公開することで投資家から資金を調達します。
資金を調達することで、企業は事業を拡大して成長することができるのです。
事業規模が拡大すれば、売上などの業績も上がります。
そうなれば、株価は上昇し、配当も増加していくでしょう。
つまり、IPOは株主にとっても大きな恩恵が期待できるわけです。
そのため、株を買おうとする投資家が多くなるので、株価も上がりやすくなります。
ここまで、IPOの勝率が高い理由について解説しましたが、おわかりいただけたでしょうか?
次に、IPOで儲けるためにはどうしたらいいのか、その手順を具体的に解説していきます。
IPOで儲けるための手順
ただ、IPOは勝率が高い、ということが分かっただけでは、IPOで儲けることはできません。
IPOで実際に儲けるための手順を知る必要があります。
IPOで儲けるためには、
- STEP1:IPO抽選するための証券口座を開設する
- STEP2:IPOの抽選に応募する銘柄を選ぶ。
- STEP3:IPOの抽選に応募する
- STEP4:抽選結果を確認
- STEP5:初値売りをして利確
- STEP6:全て落選した場合は、セカンダリー投資にチャレンジ!
の6つのステップを行う必要があります。
それぞれについて、順番に説明していきます。
STEP1:IPO抽選するための証券口座を開設する
まず、IPO抽選に参加するために、証券口座を開設します。
証券口座を開設しなければ、そもそもIPOに参加することはできません。
しかし、どの証券会社で口座開設しても良いという訳ではありません。IPOにおすすめの証券口座があるのです。
特におすすめの証券会社は、SBI証券、マネックス証券、楽天証券の3社です。
具体的に、どんな点がおすすめなのか、紹介していきます。
おすすめ1:SBI証券
SBI証券がおすすめの理由は、2つあります。
主幹事になりやすいという点と、独自のポイント制度がある点です。
その2点を、具体的に解説します。
SBI証券はネット証券ですが、意外と主幹事になることが多い証券会社です。
IPOの主幹事になるということは、割当株数が多いということです。
割当株数が多いIPOは、当選確率ももちろん高くなります。
また、SBI証券は幹事になることも多い証券会社です。
そのため、毎月コンスタントに結構な数のIPOがあります。
そのため、SBI証券にはIPOに申し込む機会が多いというメリットがあるのです。
SBI証券のIPOの抽選方法は、1人1票の完全平等抽選ではありません。
資金量が多ければ多いほど有利になる、資金比例抽選です。
これだけだと、資金面で不利になる人も多いでしょう。
しかし、SBI証券では通常の抽選とは別に、「IPOチャレンジポイント」という独自の仕組みがあります。
これを利用すると、資金面での不利は軽減されるのです。
「IPOチャレンジポイント」は、保有しているポイントによって当選確率が高くなります。
ポイントは、IPOの抽選に外れるたびに1ポイントずつ加算されていきます。
また、貯まったポイントは、次のIPOから使用することができます。
SBI証券では、IPOに外れた人を対象にして、このIPOチャレンジポイントを基にした抽選を行うのです。
資金量が少なくても、ポイントの保有数が多ければ当選確率が上がる点がメリットです。
SBI証券では、資金が少なくてもIPOに参加し続けることで、IPOチャレンジポイントを貯められます。
何度も参加するうちに、IPOチャレンジポイントでの当選を狙えるのが最大の特徴です。
おすすめ2:マネックス証券
マネックス証券のIPOの特徴は、100%完全平等抽選という点です。
他の証券会社は、割当株数の一部しか抽選に回さないケースが多いのですが、マネックス証券は違います。
なんと、割当株数をすべて抽選に回しているのです。
さらに、1人1票制での抽選なので、資金量に関わらず当選確率はみんな同じです。
資金量が少ない場合は、マネックス証券からIPOに申し込むといいでしょう。
マネックス証券は、委託を含めた幹事になることも多いので、IPOに参加する機会も多いので、狙い目です。
また、マネックス証券ではNISA口座からIPOに申し込むことができます。
そうすれば、年間120万円までの範囲内なら、IPOの値上がり益に税金がかかりません。
ちなみに、同社ではNISA口座と通常の課税口座のどちらからも、同じIPOに申し込むことができます。
ただ、それで当選確率が高くなるということはありません。
あくまでも、1人1票なので注意しましょう。
おすすめ3:楽天証券
楽天証券のIPOには、大きな特徴があります。
それは、IPOの抽選スケジュールが遅い「後期型」の証券会社という点です。
後期型は、前期型の抽選が終わってから申し込むことができます。
つまり、前期型と併用すれば抽選を受ける機会を増やすことができるのです。
楽天証券では、割当株数の100%を抽選に回します。
他の証券会社では、抽選に10%など一部しか回さないことが多いので、非常に大きなメリットとなるでしょう。
抽選される株数が多いため、当選確率も高くなります。
ただし、楽天証券は1人1票の完全平等抽選ではありません。
申込株数に応じて当選しやすくなる、資金比例方式です。その点には注意しましょう。
楽天証券で取り扱うIPOは多いとはいえません。
また、主幹事になることはなく、幹事あるいは委託幹事に力を入れています。
特に、最近は委託幹事になることが増えています。
委託幹事になった場合、楽天証券では大々的にIPOの告知をしないケースが多いです。
そのため、投資家から気づかれにくく、ライバルが少なくなります。
IPOでは、穴場となる証券会社でしょう。
後期型であることも含めて、IPOにおすすめの証券会社です。
STEP2:IPOの抽選に応募する銘柄を選ぶ。ポイントは7つ
証券会社を選んで、口座を開設したら、次は銘柄を選びましょう。
IPOは、どんな銘柄でも勝てるという訳ではありません。
また、同時に2つのIPOがあることも考えられます。
そういう時に、資金の関係で、どちらか1つにしか応募できないこともあるでしょう。
その場合、どちらのIPOを選ぶべきかということも考えなくてはいけません。
そんな時に役立つ、IPOの銘柄選びのポイントについて解説します。
ポイントは7つあるので、順に確認してください。
特徴1:「公募株>売出株」となっているか
IPO株には、公募株と売出株があります。
公募株は、上場する会社が事業拡大などを目的として、資金を調達するために市場へと放出するものです。
一方、売出株は、上場前から株を保有している株主が利益確定のために保有株を市場へと放出するものです。
この2つのうち、どちらが会社の成長につながるかといえば、当然公募株です。
そのため、公募株>売出株となっていれば、市場ではプラス評価となります。
特徴2:吸収金額が市場の規模を超過していないか
市場によって、吸収金額には適正規模の目安があります。
吸収金額というのは、(新規発行株数+既存株主による売出株数)×公募価格で算出する金額のことです。
IPOで、上場する市場の規模を吸収金額が上回っているようなら、公募割れの可能性が高くなってしまいます。
市場ごとの目安については、こちらの記事(ipo 儲かるの記事URLを貼付)やこちらの記事(ipo 銘柄の記事URLを貼付)で詳細を説明していますので、参考にしてください。
特徴3:再上場の銘柄ではないか
IPO株の中には、再上場する会社の銘柄もあります。
再上場の場合は、投資家の評価が新規上場と比べて厳しくなります。
再上場するくらいまで業績が回復したということですが、投資家にとって評価するポイントにはなりません。
再上場の会社が市場で高く評価されるには、かなりの好材料がなければ厳しいのです。
そのため、再上場の会社の場合は、公募割れしやすくなります。
特徴4:業績が増収増益基調になっている
業績を見た時に、増収増益が続いている会社は、市場の評価が高くなります。
ただし、いくら増収増益が続いていても1桁台ではあまり評価されません。
増収率と増益率のそれぞれが、前期比で2桁台が続いているものを選びましょう。
また、今期の業績見通しも、増収増益率が2桁台になると予想されているものを選びましょう。
特徴5:人気のある事業内容
一口でIPO株とはいっても、事業内容によって人気の度合いは全く違います。
人気になりやすいものとしては、今であれば5GやAI、キャッシュレス決済といった旬のテーマです。
また、IT系の会社は、全般的に人気が出やすい傾向にあります。
反対に、不動産や食品、卸売りなどはあまり注目されません。
そのため、これらの業種の会社のIPOは公募価格割れしやすくなってしまいます。
特徴6:公募価格が仮条件の上限価格になっている
IPOには、公募価格の他に仮条件というものがあります。
仮条件というのは、公募価格を決定するために1,200円~1,600円のように、値幅を持たせた金額を設定しているものです。
この例の場合、1,600円が仮条件の上限になります。
公募価格が仮条件の上限を下回るということは、買いたい人が少ない、つまり、人気がないということです。
その場合は、初値が公募価格割れしやすくなります。
特徴7:大株主にベンチャーキャピタルがいない
上場する企業の大株主にベンチャーキャピタルがいることを、投資家は嫌気する傾向があります。
なぜなら、ベンチャーキャピタルが上場時に保有株を売却して利益を獲得しようとする可能性が高いからです。
その場合、大量に株が売られるので株価は下がりやすくなってしまいます。
投資家は、それを嫌がってIPOに申し込まなくなり、不人気となるのです。
また、初値が公募割れする可能性も高くなってしまいます。
もっとIPO銘柄の選び方について知りたい方は「【ポイントは8つ】IPO銘柄で儲けるための選び方・注意点とは?プロがやさしく解説」で詳しく解説していますのでもっと詳しく知りたい方はご覧ください。
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コラム:IPOで勝率を上げるには市場にも注目しよう
株式市場は、いくつもの市場に分かれています。
IPOでは、どの市場に上場するかによっても勝率が変わってきます。
そのため、上場する市場にも注意しましょう。
例えば、上場の基準が最も厳しいのは東証一部です。
そこに上場する企業は、既に成熟段階にあることが多いのです。
ということは、急成長にはあまり期待できません。
さらに、東証一部の場合は大型案件が多くなります。
そのため、買う時の公募価格は高くなりやすく、さらに当選株数も多いので、売れ残る可能性が高くなります。
また、当選株数が多いということは、抽選に外れる投資家も少なくなります。
そのため、セカンダリー投資狙いの買いも少なくなってしまうのです。
こうした理由から、東証一部上場のIPOは新興市場と比較すると、あまり勝率が高くなりません。
また、たとえ初値が公募価格を上回っても、その上回る度合いは低くなりやすいのです。
勝率が高く、初値が公募価格を上回りやすいのは、東証マザーズやジャスダックのような新興市場です。
この2つの市場は、設立から上場までの期間が東証一部と比べてかなり短い傾向にあります。
つまり、若い会社が多いということです。
若い会社は、まだ成長段階にあるので急成長に期待できます。
つまり、大化け株になる可能性があるのです。
そういった期待が株価へと反映されるので、初値が公募価格を上回る可能性も少なくありません。
また、東証マザーズやジャスダックに上場する際は、資金調達額も控えめになります。
調達額が少ないのに投資家から人気があるということは、流入資金額が大きいということです。
これも値上がりの要因になります。
このような理由から、IPO投資では銘柄そのものの他に、上場する市場にも注目しましょう。
勝率を上げたい、将来性の高い銘柄に投資したいと考えるなら、新興市場がおすすめです。
STEP3:IPOの抽選に応募する
銘柄を選んだら、いよいよIPOの抽選へと実際に応募します。
その際は、各証券会社の抽選方法を確認しましょう。
完全平等抽選か、資金比例抽選のどちらかで当選確率は大きく変わります。
そして、各証券会社の抽選スケジュールを把握しましょう。
その上で、どのように資金を使うのか考えていきます。
資金が多ければ、IPOの資金計画についてそれほど複雑に考える必要はないでしょう。
しかし、資金が少ない場合は、使いまわしをして資金効率を上げることを視野に入れましょう。
そして、抽選結果に応じて次はどうするか、シナリオを考えておきましょう。
各社の抽選については、こちらの記事(IPO 抽選のURLを貼付)で詳細を説明しています。
また、資金に関してはこちらの記事(IPO 資金のURLを貼付)で説明しているので、それぞれ確認してください。
STEP4:抽選結果を確認。
抽選結果を確認して、当選していた場合は次のSTEP5に進みます。
証券会社によっては、補欠当選を用意しているところもあります。
そのため、補欠当選になった場合のことも考慮しましょう。
補欠当選についての詳細は、こちらの記事(IPO 補欠当選の記事のURLを貼付)で説明しているので、ご覧ください。
もし落選したなら、後期型の証券会社にも申し込んでいれば、その当選結果を待ちましょう。
全て落選してしまったなら、STEP6のセカンダリー投資にチャレンジすることも視野に入れましょう。
ちなみに、当選=IPO株を購入したということではありません。
その点を忘れると、購入期限を過ぎてしまいキャンセル扱いになることもあり得るので注意しましょう。
IPOでは基本的に、当選した後で必ず購入手続きが必要になるのです。
IPOに当選したあとの流れについては「IPOに当選したらどうする?意外と落とし穴や手順についてプロが完全解説」で詳しく解説しているので参考にしてください。
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IPOに当選したらどうする?意外と落とし穴や手順についてプロが完全解説
IPOに当選!っと嬉しいことですが 「IPOに当選したら何をすれば良い?」 「資金はいつまでに必要?」 「初値売りの仕方を知りたい」 と不安に思う人もいるのではないでしょうか。 筆者は10年以上ファン ...
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STEP5:初値売りをして利確
無事に当選していたら、上場日に初値売りで売却しましょう。
このことを、IPOのプライマリー投資といいます。
このときに大切なのは、忘れずに、あらかじめ成行注文を入れておくことです。
もし、そのことを忘れてしまうと、初値で売れない可能性があります。
その場合、利益獲得のチャンスを逃してしまうかもしれません。
そうならないよう、事前に成行注文で発注しておくことを忘れないようにしましょう。
初値売りに関しては「【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順」で詳細を解説しています。
IPO投資は売却して初めて利益が出ます。
最後の部分で失敗しないように必ずチェックしておきましょう。
【成行注文が基本】IPO投資の初値売りで失敗しないための具体的な手順STEP6:全て落選した場合は、セカンダリー投資にチャレンジ!
IPOに申し込んだ証券会社で全て落選してしまった場合は、主に2つの選択肢があります。
それは、
- 別のIPOに申し込む
- セカンダリー投資にチャレンジする
という選択肢です。
セカンダリー投資は、上場後も値上がりしそうだと判断した銘柄の場合に考えてみましょう。
なぜかというと、セカンダリー投資で買った後でも、中長期的に値上がりする銘柄があるからです。
初値売りとは違い、瞬間的な値上がりを狙うことはできません。
しかし、将来的に大化けするような銘柄を狙うことができるのが魅力です。
もしも、中長期での値上がりを狙うのであれば、セカンダリー投資にチャレンジしてみましょう。
ここまで、IPOで儲けるための手順について説明しました。
先程セカンダリー投資について触れましたが、最後にこのことについて簡単に説明します。
抽選がないセカンダリー投資とその勝率とは?
セカンダリー投資は、抽選がないというのが大きなメリットです。
しかし、果たして勝つことができるのでしょうか?また、勝てるとしてどのくらいの利益が得られるのでしょうか?
そこで、ここからはセカンダリー投資という選択肢がどのくらい有効なのか、解説していきます。
まずは、セカンダリー投資の銘柄選びから説明します。
セカンダリー投資で勝率を上げるには、銘柄選びが大切
セカンダリー投資で勝率を上げるためには、銘柄選びが非常に重要です。
基本的には、上場してから徐々に値上がりする可能性が高い銘柄を選んで投資しましょう。
そのため、上場時はあまり人気がなく、初値が公募価格をあまり大きく上回らない銘柄を選びます。
ただ、そのような銘柄を選んでも、そこから株価が必ず上がるとは限りません。
なるべく上がりやすい銘柄を選ぶためには、いくつかのポイントに注目しましょう。
セカンダリー投資で勝ちやすい傾向にある銘柄の特徴は、
- 初値が公募価格を大幅に上回っていない。
- 増収増益傾向にある。
- 為替変動や商品価格の変動が業績に与える影響が少ない。
- PERが低い。
- 自己資本比率が合格ライン。あるいは、資金繰りに問題がない。
- 事業内容と収益モデルに将来性がある。
の6つです。
セカンダリー投資における銘柄選びをもっと知りたいかたは「【銘柄選びが重要】セカンダリー投資で勝ちやすい銘柄の特徴について解説」で詳しく解説していますので参考にしてください。
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【銘柄選びが重要】セカンダリー投資で勝ちやすい銘柄の特徴について解説
抽選のないIPOのセカンダリー投資は、通常の株式投資と同様、誰でも取引できます。 そこで問題になるのが 「どんな銘柄に投資すれば良いの?」 ということ。 当然のことながら、IPOのセカンダリー投資はど ...
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まとめ
IPOの勝率は、確かにかなり高いものです。
そして、なぜ高いのかという理由もきちんとあります。
ただし、常に勝率が高いわけではありません。
勝率が高くなる理由を把握して、勝てる可能性が高い時にだけIPOを狙いましょう。
銘柄選びをきちんとして、市場の状況を把握したうえでIPOにチャレンジすれば、勝率は更に高くなります。
また、抽選に落ちてセカンダリー投資にチャレンジする際も、同じく勝率が高くなるでしょう。
この記事を読んで、IPOの勝率が高い理由がわかったら、ぜひIPOにチャレンジしてみてください。